本日も注目銘柄をゆる~く語っていきます。
注目銘柄!日本電信電話(9432)
概要
日本を代表する電気通信会社であるNTTは、総合ICT事業、地域通信事業、グローバルソリューション事業を中心に事業展開しています。
NTTグループの中核企業であり、世界でもトップレベルの研究所を有しています。
NTTは株式分割を行うと発表、しかも25分割という大規模な株式分割です。
今回は、NTTの歴史と25分割についてと新規事業IOWNについてご紹介します。
NTTの歴史
1985年日本電信電話公社が民営化され、日本電信電話株式会社が発足しました。この時からNTTは日本を代表する通信企業としてスタートしました。
1987年各証券取引所に株式を上場し、資金調達を行いました。その後、NTTは積極的に事業の拡大に取り組んでいきました。
1988年データ通信事業本部の事業をエヌ・ティ・ティ・データ通信(現:エヌ・ティ・ティ・データ)に譲渡しました。これにより、NTTはインターネット時代の到来に備えた事業構造への転換を進めました。
1992年7月、NTTは自動車電話・携帯電話・ポケットベル等の事業をエヌ・ティ・ティ移動通信網(現:NTTドコモ)に譲渡しました。これにより、NTTは携帯電話事業から得られる収益を通じて、新たなビジネスを創出することを目指しました。
2013年12月、NTTは本社を東京都千代田区大手町一丁目のファーストスクエアイーストタワーに移転しました。これは、より現代的なオフィス空間を提供し、効率的な業務を行うための取り組みでした。この移転により、NTTはよりグローバルなビジネスを展開するために必要な設備や技術を備えたオフィスを確保しました。
2020年12月、NTTはNTTドコモを完全子会社化しました。NTTドコモは、日本を代表する携帯電話事業者の一つであり、この子会社化により、NTTは携帯電話事業においても強い地位を築くことができました。
2022年1月、NTTはグループの長距離・モバイル通信事業をドコモグループに集約することを発表しました。これにより、NTTはより効率的なビジネスを展開し、事業のシナジー効果を高めることができます。
NTTは、これまでの長い歴史の中で、常に変革と進化を続けてきました。今後も、グローバルなビジネスを拡大し、日本を代表する通信会社として活躍していくでしょう。
25分割について
NTTは、6月30日を基準日として、1株を25株に分割することを発表しました。この株式分割は、7月1日付で実施されます。
分割後の発行済み株式数は、36億2201万株から905億5031万株に増加することになります。現在の投資単位である1単元の投資金額は、現在の40万円強から、1万円台まで下がる見込みです。これにより、広い世代で投資家層を拡大することを目指しています。
NTTの株主構成は、22年3月末で69万人。そのうち「個人その他」が全体の21.83%を占めています。しかし、島田明社長は、『NTTの株主の年齢層が高く、個人投資家の8割が60歳代であることを指摘しています。若い人にも投資を促すためには、投資単価を下げる必要があると説明しました。』24年から新NISA(少額投資非課税制度)が導入されることも踏まえていると考えられます。
株式分割によって、1株の価格が下がることになります。しかし、株式分割自体が企業の価値を増減させるわけではありません。企業の業績や成長戦略によって、株価は上昇することがあります。分割後の株価が上昇するかどうかは、今後のNTTの業績によっても異なるでしょう。ただし、投資単価が下がることで、より多くの人が株式投資に参加しやすくなることは間違いないです。
ですが、なぜ25分割もの大規模な株式分割を行なったのでしょうか?
東京証券取引所が示す望ましい投資単位の水準は5万円以上50万円未満となっており、分割後は1万6000円と水準よりも低い株価となります。狙いとしては、決算書に記載されている『単元未満株主が増加している現状などを踏まえ、投資環境を整えることで、議決権を有する株主として当社株式を保有していただきたい』ということもあるのではないでしょうか。
最近ではミニ株・プチ株という1株から買える単元未満株の売買が若い世代を中心に人気になっています。
ですがミニ株・プチ株では、企業からすれば直接の株主というわけでもないですし優待などで自社のファンになってもらうことも難しいです。
そういった点から今回のような大規模な株式分割を行なったと考えられます。
IOWN(アイオン)構想
NTTが掲げるIOWN構想とは、革新的な技術を使ってこれまでの情報通信システムの限界を超え、膨大なデータを処理し、個人と全体の最適化を図ることで、多様性を受容できる豊かな社会を創るための構想です。
具体的には、IOWN構想では、ネットワークから端末まですべてにフォトニクス技術を導入した「オールフォトニクス・ネットワーク」を構築することが目指されています。これによって、光の高速伝送と大容量データ通信が可能となり、従来の情報通信システムでは解決できなかった問題を解決することができるとされています。
それではこのIOWN構想がどれだけすごいのでしょうか。
現在の通信技術や半導体はエレクトロニクス(電子技術)を使用されていますが、高性能になればなるほど電気をたくさん使い発熱してしまいます。
これを解決するのがフォトニクス(光技術)です。光の特性を使うことで電気よりも早く情報を伝え、熱(ロス)を発さずに既存の通信技術や半導体を進化させようとしています。
2030年までには、「電力効率を100倍に」「伝送容量を125倍に」「エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に」の達成を目標としています。
これだけ言われてもピンとこないですが、スマホの充電が1ヶ月に1度で済む、オンラインゲームのアップデートが1瞬で終わる、リモート会議の遅延がなくなる、空飛ぶ車・海中旅行が現実になると言われればスゴさがわかるかと思います。
このIOWN構想ですが、事業化に向けた新会社「NTTイノベーティブデバイス」を6月に設立すると発表。2030年3月期に2000億円規模の売上高を目指すとされています。
光半導体の市場は現在、2021年に436億ドル(5.6兆円)の規模で半導体の6000億ドル(78兆円)と比べると10分の1以下です。
先ほどの消費電力100分の1や伝送容量125倍が実現できるなら、光半導体が既存の半導体にとって代わるのも時間の問題かと思います。
そうなればNTTの株価の現在の2倍、3倍となってもおかしくないと個人的には考えています。
そのため10倍の株式分割じゃなく25倍を選択したのではないでしょうか。実現までの道筋がもう見えているんじゃないかなーと思っています。
本日の株価
MARKET SPEED
大規模な株式分割を行なった日本電信電話(9432)の本日の株価は、
前日比+91円(+2.22%)現在値4,199円と上昇に。
なんで25分割?とニュースを見た時には思いましたが、新NISAの需要増やミニ株の人気を考えると単元株2万円未満は英断かもしれません。
そして新事業IOWN構想が実現すれば、世界の通信市場のTOPを担うくらいのポテンシャルがあるのではないでしょうか。