本日も株式市場の動向と注目ニュースをゆる~く語っていきます。
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本日(3/20)の日経225
本日の日経平均株価は、前日比-388円(-1.42%)の26,945円という結果でした。
今日は先週末比80円安でスタートしました。
UBSによるクレディ・スイス買収合意で欧米での金融システム不安はやや後退しましたが、投資家の警戒感は払拭されず東京市場では幅広い銘柄に売りに出ました。
ドル/円がやや円高に振れたこともあり、自動車などの輸出関連株も下落に。
後場に入っても下落は続き、心理的な節目の2万7000円を下回ることも。祝日を控えた市場では幅広い銘柄で手じまい売りが出ました。
最終的には1%以上下落し、2万7000円を割って終了しました。
ロキ兄さんが興味をもった銘柄
豊田自動織機(6201)
豊田自動織機(6201)は、日本のトヨタグループに属する自動織機メーカーで、本社は愛知県豊田市にあります。
豊田自動織機は、自動車用織機や工業用織機、医療用織機、非織布製造装置などを製造しており、世界中で高い評価を受けています。
豊田自動織機は、日本で最初に自動織機を製造したメーカーの一つで、創業は1924年にさかのぼります。
豊田自動織機は、トヨタ自動車と同じく、トヨタグループの創業者である豊田佐吉氏の哲学に基づき、品質、生産性、技術革新に重点を置いた経営方針を採用しています。
織機という社名なので繊維機械も強いですが、意外にも一番強いのはフォークリフトで、2021年時点で世界シェアの約30%を占めています。
1966年以来、フォークリフト国内販売台数を57年連続1位を達成しています。
豊田自動織機は17日、フォークリフト用エンジンの性能試験で、データを差し替えるなどの不正行為を行っていたと発表しました。
これらのエンジンを搭載したフォークリフトの国内出荷停止を決めました。
豊田自動織機によると、対象はディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種で、搭載したフォークリフトはこれまでに約16万台を販売しました。
このうち、約7・1万台は排ガスの規制値を超過しているため、リコール(回収・無償修理)を行う方針で、走行や安全性に問題はないとしている。
不正は、試験中に部品の交換を行ったり、別の測定結果と差し替えたりしていた。2021年にデータに懸念を抱き、自主的に調査を始めました。
国土交通省と経済産業省は、不正の全容解明と再発防止策の検討をそれぞれ指示した。国交省は来週にも立ち入り検査に入る。
トヨタ自動車は「昨年の日野自動車での認証不正に続いて、グループ会社で信頼を裏切るような事案が発生したことは誠に遺憾で、重く受け止めている」とのコメントを発表しました。
MARKET SPEED
それを受けて豊田自動織機の本日の株価は前日比-880円 (-11.35%)
現在値6,870円と大幅下落に。
一番自信のある製品で不正が発覚したので大きな下落になりました。リコールが起こると、消費者からの信頼を失ってしまいます。
しかしながらある大学の研究では、自動車産業でのリコールが企業価値(≒株価)に与える影響は非常に少ないとの論文もあります。
欠陥があった場合に適切な対応をしていれば、消費者や株主はそれほど気にしないのではないかと結論づけられてました。
ロキ兄さんが興味をもったニュース
クレディ・スイス、社債約170億ドル無価値化 債権者から怒りの声(ロイター通信)
クレディ・スイスは19日、UBSによる買収の一環としてスイス当局の指示の下、160億スイスフラン(172億4000万ドル)相当のAT1債(その他ティア1債)を無価値化すると発表し、債権者から怒りの声が上がりました。
スイス金融市場監査局(FINMA)は、この決定がクレディ・スイスの資本増強につながると説明。民間投資家に痛みの分担を求めた格好です。
AT-1債(劣後債)の特徴は「弁済順位が普通社債よりも低い」かわりに「利回りが高く設定」されている点です。
会社が破産した場合、
①債券保有者
②劣後債保有者
③株主
の順番で残りの資産を分配されます。
しかしながら、今回のクレディ・スイスの買収で、②劣後債保有者が1円も返ってこない中、③株主にはなぜか総額32億3000万ドルが返ってきます。
これが許されてしまうと、他の世界中のAT-1債(劣後債)の価値が無くなってしまいます。AT-1債売りが過熱化すればまた銀行の破綻が…
まだまだ金融不安が解消されることはなさそうです。