本日も注目銘柄をゆる~く語っていきます。
注目銘柄!塩野義製薬(4507)
概要
塩野義製薬は大阪を拠点にし、日本国内で著名な製薬企業として知られる会社です。
2017年7月時点の時価総額は、武田薬品工業、アステラス製薬、大塚ホールディングス、中外製薬に次いで医薬品セクターで5位に位置していました。
今回は、塩野義製薬の歴史と事業内容、決算情報やチャート分析をご紹介します。
塩野義製薬の歴史
1878年、大阪の道修町にて、塩野義三郎氏が「塩野義三郎商店」として薬種問屋を立ち上げました。時代が進むにつれて洋薬の需要が増加し、西洋医学が普及する明治維新後、塩野義製薬は方針を転換し、1886年に和漢薬専門から洋薬のみを扱うようになりました。
そして、1909年には「アンタチヂン」(健胃制酸薬)を自社製造・販売することで、自家新薬の製造に成功しました。その後も、「サルバルサン」(梅毒治療薬)の輸入販売をはじめ、さまざまな洋薬製品を次々と製造・販売し、医療と健康分野での存在感を高めました。
塩野義製薬の成長は、工場竣工と法人化によって大きく支えられました。1892年には「相生工場」、1910年には「塩野製薬所」、1921年には「浦江試験所」、1922年には「杭瀬工場」を建設し、医薬品製造の基盤を整えました。
同時に、製品の販売を全国に拡大するための営業活動を展開し、1919年に法人として「株式会社 塩野義商店」として設立され、その後、1943年に現在の商号に変更され、総合的な医薬品製造販売メーカーとしての基盤を築きました。
第二次世界大戦直後、塩野義製薬は抗生物質であるペニシリンの開発に挑戦しましたが、技術と資金の制約から断念せざるを得ませんでした。しかし、その後も抗菌薬の研究を継続し、1980年代後半になると、抗菌薬で売上高首位を記録するなど、医療分野で成功を収めました。
しかし、抗生物質への依存度が高かったため、薬剤耐性菌の問題が浮上し、抗生物質自体の売れ行きが低迷しました。しかし、高脂血薬のクレストールが2010年以降の成功につながり、急速に業績を回復しています。
2017年には、子会社の再編を行い、新たな会社を設立。医療用薬品の発売や研究開発にも積極的に取り組みました。2018年には障がい者雇用を推進するための子会社を設立し、他社との資本提携も行いました。
2019年には医薬品生産事業を子会社に承継し、新たな事業展開を果たしました。2020年には子会社の株式会社UMNファーマを完全子会社化し、2022年にはロゴマークを再デザインし、新型コロナウイルス感染症治療薬の緊急承認を受けました。
塩野義製薬は、常に医療分野での進化を続け、最新の医薬品を提供する使命に邁進しています。
引用:https://www.shionogi.com/jp/ja/company/history.html
事業内容
塩野義製薬は、常に人々の健康を守るために最高品質の薬を提供することを使命とし、世界中の患者と社会の健康問題に包括的な解決策を提供することを目指しています。そのために、医療用医薬品を中心に、OTC医薬品や診断薬などの研究開発、製造、販売活動を継続的に展開しています。今回は塩野義製薬の研究分野について一部ご紹介します。
創薬研究のビジョン:社会に応える、創薬イノベーション
SHIONOGIは、自社創薬比率にこだわりながらも、新たな創薬アプローチを積極的に採用し、社会の健康ニーズに応える創薬イノベーションを追求しています。伝統的な創薬の枠を超え、新しいアイデアを取り入れています。
中分子医薬(Low Molecular Weight Medicine)
核酸やペプチドなどの「中分子医薬」は、将来の医薬品として大いに期待されています。SHIONOGIは、これまで培ってきた低分子創薬の経験と技術を活かし、中分子創薬分野にも力を注いでいます。これにより、さらなる治療法の開発を目指しています。
オープンイノベーション
SHIONOGIは外部との連携を強化し、アカデミアやベンチャー企業との協力関係を築いています。例えば、「英国ケンブリッジ大学 創薬推進コンソーシアム」への参画などがその一環です。外部の専門知識と内部の創薬研究力を結集し、新しいイノベーションを生み出すために努力しています。
探求心ある研究者の育成
研究が作業になりがちな中、SHIONOGIは研究者たちが探求心を持ち、熱意を持って研究に取り組む環境を提供しています。研究プロセスの評価や、自分で共同研究の機会を見つけ提案できる「Yコラボレーション」という独自の制度を導入し、研究の楽しさとイノベーションの創出を促進しています。
SHIONOGIは、これらのビジョンと戦略により、世界中の患者と社会に価値を提供し続け、医療分野でのリーダーシップを発揮しています。
引用:https://www.shionogi.com/jp/ja/company/development.html
最新の決算
塩野義製薬は7月31日に第1四半期決算を発表しました。
『SHIONOGIは、売上収益およびすべての利益項目で、前年同期比で増収・増益を記録しました。さらに、積極的な投資を続けながらも、1Qとしては売上収益と各種利益が過去最高を更新しました。
国内市場において、ADHD治療薬の売上減少があったものの、ゾコーバの売上増がこれを上回り、全体として売上が伸長しました。国内市場においても着実な成長が続いています。
海外市場では、セフィデロコル(Fetroja、Fetcroja)が堅調に推移し、成功を収めました。また、Dovato、Cabenuva、Apretudeなどの製品に関するロイヤリティーも増加し、国際市場でのプレゼンスを高めています。
その他の事業においても、製造受託や一般用医薬品の売上が伸長し、多角的なビジネス展開が成功裏に進行しています。
現時点では、上期の予想を修正する必要なく、目標を達成する見込みです。ベースビジネスは引き続き堅調に推移し、ゾコーバの市場浸透と現在の感染状況の変化に対応することで、今後も安定した成長を実現していきます。』
売上高:1,093億円 (+52.2%)
営業利益:465億円 (+275.0%)
経常利益:557億円(+38.2%)
純利益:425億円 (+22.6%)
また、今後の見通しについては、以下のようになっています。
売上高が約+5.5%、営業利益が約+0.7%、経常利益が約-12.6%、純利益が約-16.2%を見込んでいます。
引用:https://www.shionogi.com/jp/ja/investors/ir-library/financial-results-supplement.html
チャート分析
MARKET SPEED
週足10年チャートを確認すると、下は1,730円から上は8,430円の範囲で推移しています。
2014年から2018年、2020年から2021年までと長い上昇トレンドで右肩上がりの銘柄と言えます。
2023年の7月までずっと下落トレンドでしたが最近レンジまたは上昇になりそうなチャートです。
テクニカル指標で見るとRSIは標準、ボリンジャーバンドは高値を示しています。
ストキャスも高い値でシグナルはなし。
パラボリックは8月から上昇トレンドを示しています。
一目均衡表の雲が大きな抵抗になりますが、そこを抜ければ大きな上昇が期待できそうです。