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注目銘柄!日本郵船(9101)
概要

日本郵船株式会社は、三菱グループ(旧三菱財閥)の中核企業であり、三菱重工業とともに三菱グループの源流企業でもあります。
国内・海外を合わせて350以上の都市の港へ684隻の運航船舶が乗り入れており、運航船舶数規模で日本では1位、世界でも有数の海運会社の一つです。
今回は、日本郵船の歴史と事業内容、決算情報やチャート分析をご紹介します。
日本郵船の歴史

日本郵船の起源は、1870年に大阪で岩崎弥太郎氏が九十九商会を設立したことに始まります。
1885年には、郵便汽船三菱会社は日本国政府の仲介で三井系国策会社である共同運輸会社と合併し、日本郵船会社を設立。これにより競争を避けることができました。
1893年には、株式会社として日本郵船株式会社が誕生し、日本初の遠洋定期航路であるボンベイ航路を開設。その後、数多くの国際航路の開設や合併が行われ、日本郵船は急速に成長しました。
1917年には南米東岸線が開設され、特にブラジル移民組合との契約により移民輸送が行われました。
1931年には、金の輸出が再び禁止され、日本の海運業界は急速に回復しました。また、オランダとの貿易関係に制約が生じました。
1949年には、東京、大阪、名古屋の証券取引所へ上場し、航路が徐々に復旧しました。1971年には、欧州コンテナ航路が開始され、翌年には西地中海にもコンテナで進出しました。
1975年には、海運業界で初の外債発行を行い、その後もスイスフランを中心に多くの外債発行を行いました。また、航空その他の事業を事業目的に追加し、スエズ運河が再開されました。
2006年に、陸運大手のヤマトホールディングスと資本提携を発表しました。
2007年には、フィリピンにNYK-TDG MARITIME ACADEMYを開校し、船員の養成に貢献しました。しかし、6月には脱税の問題が発覚し、東京国税局に摘発されました。約6億円の所得隠しが指摘され、申告漏れ総額は約45億円で、追徴税額は約15億円に上りました。
また、2014年には、自動車輸送船の運賃で価格カルテルを結んでいたとして、約131億円の課徴金を支払いました。
2017年には、商船三井と川崎汽船と共にコンテナ船事業を統合し、新会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」が設立されました。
日本郵船の歴史は、国際的な航路の開拓や貢献的な業績に満ちており、日本の海運業界において不可欠な存在となりました。
引用:https://www.nyk.com/profile/history/
事業内容

日本郵船グループは複数の事業部門で構成され、幅広い分野で活動しています。以下は主要な事業部門とその概要です。
定期船事業:
定期船事業は、コンテナ船部門とターミナル関連部門から成り立っています。コンテナ船部門は一般消費財などの貨物を専用の船舶で輸送し、国際的な物流に貢献しています。
一方、ターミナル関連部門は、各地に設立されたコンテナターミナルなどを運営し、貨物の受け渡しや保管などのサービスを提供しています。
航空運送事業:
航空運送事業では、連結子会社である日本貨物航空株式会社(NCA)が、国際的な航空貨物輸送事業を展開しています。これにより、国際的な物流ネットワークを支え、貨物の迅速な輸送を実現しています。
物流事業:
物流事業では、グローバルなネットワークを活用し、倉庫から海上・航空フォワーディングまで、包括的な物流サービスを提供しています。これにより、商品の保管や輸送を効率化し、クライアントに最適な物流ソリューションを提供しています。
不定期専用船事業:
不定期専用船事業は、自動車事業部門、ドライバルク事業部門、およびエネルギー事業部門から成り立っています。自動車事業部門は自動車の輸送に特化し、専用の船で自動車産業を支援します。ドライバルク事業部門は、鉱石、穀物、木材などの乾燥貨物の輸送を担当し、多様な商品の輸送をサポートします。エネルギー事業部門では、石油製品やエネルギー資源の輸送とサービスを提供し、エネルギー関連の需要に応えます。
これらの事業部門を通じて、国際的な輸送、物流、不動産、エネルギー、およびさまざまなサービスを提供し、多岐にわたる産業に貢献しています
引用:https://www.nyk.com/service/
最新の決算

日本郵船は8月3日に第1四半期決算を発表しました。
『物流事業においては、航空および海上貨物取扱事業の取扱量が減少し、運賃水準も下落したことから、約750億円の減収が発生しました。
航空運送事業でも物流事業と同様に需給の緩和が見られ、運賃水準が下落し、経常損益は約255億円の減収となりました。
定期船事業においてもサプライチェーンの混乱が解消され、需給が緩んだ結果、運賃水準が大幅に下落し、約2,385億円の減収が発生しました。
さらに、航空運送事業でも荷動きの鈍化と国際旅客便の供給スペース増加により、運賃水準が低下し、経常損益は約241億円の減収となりました。』
チャート分析

MARKET SPEED
週足10年チャートを確認すると、下は360円から上は4,400円の範囲で推移しています。
2014年から2020年まで横ばいトレンドでゆっくりと下落していました。
2020年から現在まで急激な上昇トレンドになり株価が10倍以上に。
テクニカル指標で見るとRSIはやや高い値、ボリンジャーバンドはやや高値を示しています。
ストキャスは中央あたりでシグナルなし。
パラボリックは10月頭から下落トレンドを示しています。
一目均衡表の雲が下にあり、抵抗になってくれればチャートはまた上昇トレンドに。