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注目銘柄!AGC(5201)
概要
AGC株式会社は、東京都に本社を構え、世界最大級のガラスメーカーとしての地位を築いています。
三菱グループの一員として、日本経済と世界の建築・化学業界に大きな影響を与えてきました。
今回は、AGCの歴史と事業内容、決算情報やチャート分析をご紹介します。
AGCの歴史
1907年、AGCの創業者である岩崎俊彌氏(三菱財閥の2代目総帥・岩崎彌之助氏の次男)は、兵庫県尼崎でこの会社を設立しました。そして、1909年には尼崎工場(現在の関西工場)で板ガラスの生産を開始しました。
1914年に竣工した牧山工場(現在の北九州工場)は、新たな製造拠点として重要な役割を果たしました。その後の1917年には、牧山工場でソーダ灰の製造が開始され、ガラス製品の生産能力が向上しました。
1944年、日本化成工業株式会社との合併により、商号を三菱化成工業株式会社に変更し、AGCはさらなる成長を遂げました。
1950年には、企業再建分割法に基づき、三菱化成工業が3つに分割され、その中から旭硝子株式会社が誕生しました。
2007年には創立100周年を祝し、グループブランドを「AGC」に統一し、シンボルマークをリニューアルしました。この節目は、AGCの歴史の中での大きな転機であり、新たなスタートを示しました。
2013年にブラジルにおける環境にやさしい工場が竣工し、南米市場への進出が成功しました。また、東南アジア地域での事業拡大を見込み、シンガポールに地域統括拠点を設置し、国際的なプレゼンスを強化しました。
2018年にAGC株式会社に商号変更し、シンボルマークを微修正しました。同時に、ブランドステートメント “Your Dreams, Our Challenge” が策定され、企業の使命が明確に示されました。
これらの出来事は、AGC株式会社の長い歴史と、国際的なリーダーシップを確立するための積極的な取り組みを反映しています。 AGCは常に進化し、挑戦し続け、顧客の夢を実現するパートナーとしての役割を果たし続けています。
引用:https://www.agc.com/company/history/index.html
事業内容
AGC株式会社は、「ガラス」「電子」「化学品」「ライフサイエンス」「セラミックス・その他」の事業領域で、新たな価値創造に挑戦しています。
1. 建築ガラス事業
1909年に日本初の板ガラスの国産化に成功し、現在では世界市場でトップのシェアを誇ります。高機能化や環境対応など、新たな需要にも応え、建築分野でのリーダーシップを維持しています。
2. オートモーティブ事業
自動車メーカーのグローバル展開に対応し、日本、欧州、北米、中国に技術開発拠点を持ち、高品質な製品、サービス、ソリューションを提供しています。自動車用の合わせ・強化ガラスなどを提供し、先端のモビリティに対応した製品も展開しています。
3. 電子事業
ディスプレイ用ガラス事業: TFT液晶/有機EL用ガラス基板で世界トップクラスのシェアを誇り、次世代の映像表示デバイス向けの開発にも注力しています。また、スマートフォン・タブレット端末向けの電子機器用カバーガラスなど、幅広い用途に使用されています。
電子部材事業: 半導体プロセス用部材やオプトエレクトロニクス用部材を提供し、先端運転支援システムや5G分野向けの高機能材料も提供しています。
4. 化学品事業
エッセンシャルケミカルズ事業: 塩水の電気分解により製造される苛性ソーダやPVC(塩化ビニル樹脂)など、幅広い産業分野に必要な製品を供給しています。また、ウレタン関連製品の製造・販売も行い、快適な生活に必要な製品の素材を提供しています。
パフォーマンスケミカルズ事業: 高機能製品を提供し、自動車、航空機、半導体、建築、エレクトロニクスなど幅広い産業分野に貢献しています。高い評価を受けている製品は、安全で快適な社会インフラや都市・住宅空間の実現に欠かせない存在です。
5. ライフサイエンス事業
医農薬中間体・原体のプロセス開発・製造受託を行うCDMO事業を展開し、合成医薬品CDMOやバイオ医薬品のCDMOに注力しています。高品質のサービスを提供し、世界の人々の健康と安心・快適な生活に貢献しています。
6. セラミックス・その他事業
高温装置向けの耐火物や無機材料、セラミックスの素材とアプリケーションにより、省エネ・省資源・高効率なソリューションを提供し、地球環境保護に貢献しています。
AGC株式会社は、これらの事業を通じて世界中の産業分野に革新的なソリューションと価値を提供し、持続可能な未来の実現に貢献しています。
引用:https://www.agc.com/company/business/index.html
最新の決算
AGCは8月2日に第2四半期決算を発表しました。
『塩ビの販売価格下落の影響を受けつつも、自動車用ガラスおよび建築用ガラスなどの販売価格の上昇や為替の影響により、前年比で増収を達成しました。
製造原価の悪化や原燃材料価格の上昇などの要因から、営業利益は前年比で減益となりました。
2023年については売上が伸び悩み、減益の見通しが示されています。しかし、2024年以降についてはバイオ医薬品CDMOの復調や半導体関連製品の拡大などが期待され、再び成長軌道に乗る見込みです。』
売上高:9,853億円 (+0.7%)
営業利益:643億円 (-44.2%)
経常利益:659億円(-43.9%)
純利益:405億円 (-43.0%)
また、今後の見通しについては、以下のようになっています。
売上高が約+0.7%、営業利益が-18.5%、経常利益は+82.9%、純利益は黒字転換を見込んでいます。
バイオ医薬品の受託製造新規ライン立ち上げ遅延の影響が大きく減益ですが、2024年以降は復調する見込みのようです
引用:https://www.agc.com/ir/library/briefing/2023.html
チャート分析
MARKET SPEED
週足10年チャートを確認すると、下は2,260円から上は6,040円の範囲で推移しています。
2022年から現在まで長いレンジ相場となっており、4,100~5,360円の間で株価が上下を繰り返しています。
5,360円を抜けて上昇すれば、6,040円まではすんなりと上がる余地があります。
テクニカル指標で見るとRSIは標準、ボリンジャーバンドもやや高めを示しています。
ストキャスも標準値でシグナルなし。
パラボリックは直近の9月から上昇トレンドを示しています。
一目均衡表の雲を上に突破したので大きく上昇する可能性も。