目次
1. 株式市場は“暴落と回復”の連続
株式市場の150年の歴史を振り返ると、
暴落 → 恐怖 → 回復 → 成長
という流れを、何度も繰り返してきました。
1929年の世界大恐慌、1987年のブラックマンデー、2008年のリーマンショック、
そして2020年のコロナショック──。
いずれも当時は「経済の終わり」とまで言われましたが、
市場はすべての危機を乗り越え、より高い地点へ戻ってきた のです。
2. 教訓① 冷静さを保ち、感情に支配されない
過去の暴落で最も損失を広げた投資家は、
「パニック売り」をした人たちでした。
恐怖のあまり売却に走ると、
安値で手放し、回復相場に乗り遅れるリスクが高まります。
たとえば2008年のリーマンショック後、株価は約1年で底を打ち、
その後10年で日経平均は3倍に回復しました。
しかし、恐怖で撤退した人は、その恩恵を受けられませんでした。
市場の乱高下にこそ、“静観の勇気” が求められるのです。
3. 教訓② 長期投資の力を信じる
もし1870年に100ドルを米国株に投資していたら、
2025年にはなんと 312万ドル になっていたというデータがあります。
この150年間には、
世界大戦・石油危機・バブル崩壊・金融危機が何度もありました。
それでも市場全体としては、長期的に右肩上がりで成長を続けています。
これは“複利の力”がもたらす恩恵です。
時間を味方につけるほど、資産は加速度的に増えていく。
4. 教訓③ 分散投資でリスクを平準化する
株式市場のリスクを抑える最も確実な方法──それが 分散投資 です。
主な分散の方向性
資産の分散:株式・債券・不動産・コモディティなどを組み合わせる
地域の分散:日本・米国・欧州・新興国など複数地域に投資する
通貨の分散:円・ドル・ユーロなど異なる通貨建て資産を持つ
例えば2008年のリーマンショック時、
株式100%のポートフォリオは大きな損失を出しましたが、
債券や金を組み合わせた投資家は、下落を大幅に抑えることができました。
“ひとつが下がっても、もうひとつが支える” という構造を作ることが、
暴落時の安定をもたらします。
5. 教訓④ 情報を監視し、柔軟に対応する
市場は常に変化しています。
金利、インフレ率、地政学リスク、為替、AI技術の進化──。
リスク管理の第一歩は、情報を定期的にチェックすること。
そして状況に応じて「リバランス(資産配分の見直し)」を行うことが重要です。
特に、FRB(米連邦準備制度)と日銀の金融政策 は、
世界の資金の流れを左右する大きな要素。
金利引き上げ局面では株価が下がりやすく、
逆に利下げ局面では資金が株式に戻る傾向があります。
6. 教訓⑤ テクノロジーリスクに備える
1987年のブラックマンデー以降、
自動売買システムの暴走による急落がたびたび起きています。
2010年の「フラッシュクラッシュ」では、
わずか5分で米株価が1000ドル急落。
テクノロジーがもたらす利便性は、同時に“速度のリスク”を生み出します。
そのため、現代の市場では「サーキットブレーカー制度」が導入されています。
これは一定以上の下落が起きると、取引を一時停止する仕組み。
人間が冷静に判断できる時間を確保するための“安全装置”です。
7. 教訓⑥ 含み損を恐れず「市場に居続ける」
暴落時に最もやってはいけないことは、「市場から逃げること」。
リーマンショック(2008)やコロナショック(2020)のように、
一時的に株価が半分になっても、数年でほぼ全回復 しています。
市場に居続けることこそ、
「暴落を経験しながら資産を増やす」唯一の方法。
冷静さと忍耐が、何よりの武器なのです。
まとめ|“不安定さ”の向こうにあるのは、いつも「回復」
| 教訓 | 内容 | 歴史的根拠 |
|---|---|---|
| 冷静さを保つ | 感情的判断を避ける | 1929・2020年の暴落後回復 |
| 長期投資 | 市場は長期で成長 | 1870〜2025年の複利効果 |
| 分散投資 | 資産・地域の分散 | 2008年リーマンショック |
| 柔軟対応 | 定期的見直し | 金融危機時のリバランス成功例 |
| テクノロジー管理 | 自動売買への対応 | ブラックマンデー・フラッシュクラッシュ |
| 保有継続 | 暴落後の回復 | コロナショック後の上昇 |

















