今週の株式市場では、おもしろい動きが見られました。日経平均株価は、AI・半導体関連株の売りで大きく揺れていました。それなのに10月19日には、首相の「商品券」発言をきっかけに、サイゼリヤなどの外食株が値上がり率の上位に並びました。また、先週の10月16日には、東証の33業種のうち32業種が上がる日もありました。
株は、全部がいっせいに同じ方向へ動くわけではありません。お金は、ある業種から別の業種へと移っていきます。この動きを「セクターローテーション(循環物色)」と呼びます。今日の投資豆知識は、この「お金の引っ越し」を家族で学んでみました。

今日の投資豆知識|半導体株が下がっても外食株は上がる?「セクターローテーション」ってなに?

リコ
リコ
日経平均が下がってるのに、外食の株は上がってたよね。株って全部いっしょに下がるんじゃないの?
ロキ兄
ロキ兄
そこが今日のポイント。株の市場には、いろんな「業種」の会社があって、それぞれ別の理由で動くんだ。そして、投資家のお金は業種から業種へと「引っ越し」していくんだよ。

まずは「業種」を知ろう

東京証券取引所に上場している会社は、「電気機器」「小売業」「銀行業」「医薬品」など、33の業種に分けられています。これを「東証33業種」といいます。

父
父
たとえば、半導体を作る会社の多くは「電気機器」、外食チェーンは「小売業」に入っている。ニュースで「33業種のうち32業種が上昇」と言うときは、ほとんどの業種が上がった、つまり市場全体に買いが広がった、という意味なんだ。
母
母
スーパーの売り場みたいなものね。野菜コーナー、お肉コーナー、お菓子コーナー……コーナーごとに売れ行きが違うように、業種ごとに株の人気も違うのね。

セクターローテーションは「お金の引っ越し」

ロキ兄
ロキ兄
投資家が使えるお金には限りがあるよね。ある業種の株を売ったら、そのお金で別の業種の株を買うことが多い。だから、人気の業種が入れ替わっていくんだ。これがセクターローテーションだよ。
リコ
リコ
クラスで流行る遊びが、なわとびから一輪車に変わる、みたいな感じ?
父
父
いいたとえだね!なわとびに飽きた子たちが一輪車に集まるように、半導体株で利益を出した人や、「そろそろ高すぎるかも」と感じた人が、まだあまり上がっていない業種や、新しい材料が出た業種にお金を移すんだ。

どんなときに、どこへ引っ越す?

一般的に、景気の状態によって、人気になりやすい業種が変わると言われています。

・景気がよくなり始めるころ:金融やハイテクなど、景気の回復で恩恵を受けやすい業種
・景気が絶好調のころ:素材や機械など、モノの需要が増えると伸びる業種
・景気がピークを過ぎるころ:食品や医薬品、電力など、景気に左右されにくい業種

ロキ兄
ロキ兄
前に勉強した「相場の4つの季節」と似ているね。季節によって旬の食べ物が変わるように、景気の季節によって旬の業種が変わるイメージだよ。
父
父
ただし、これはあくまで「傾向」だ。今週の外食株のように、政策のニュースや決算など、景気とは別の理由で急にお金が集まることもある。教科書どおりにはいかないのが、相場のおもしろいところでもあり、難しいところでもあるね。

今週の動きを見てみよう

母
母
今週でいうと、AI・半導体株からお金が抜けて、外食株のような内需の株に移った、ということかしら。
ロキ兄
ロキ兄
その動きも一部にはあったと言えそうだね。半導体株は、アメリカの物価の数字や、AIデータセンター企業の社債の急落で不安が広がった。一方、外食株は「商品券が出るかも」という期待で買われた。理由がまったく違うから、動きも反対になったんだ。

個人投資家はどう向き合う?

リコ
リコ
じゃあ、次に人気になる業種を当てれば、大もうけできるね!
父
父
それができたら苦労しないよ(笑)。プロの投資家でも、次の流行を当て続けるのはとても難しいんだ。お金の引っ越しを追いかけて売り買いをくり返すと、手数料もかかるし、タイミングを外すことも多い。
ロキ兄
ロキ兄
だからこそ、いろんな業種にまとめて投資できる投資信託で「全部のコーナーを少しずつ持つ」のが、初心者には向いているんだ。どの業種が人気になっても、その一部を持っていることになるからね。
母
母
流行を追いかけるより、全部の売り場を少しずつ買っておく。わが家の積立と同じ考え方ね。

今日のまとめ

株式市場には33の業種があり、投資家のお金は業種から業種へと移り変わっていきます。これが「セクターローテーション(循環物色)」です。今週は、AI・半導体株が売られる一方で、政策への期待から外食株が買われる場面があり、業種によって動きがはっきり分かれました。
次に人気になる業種を当て続けるのは、プロでも難しいことです。だからこそ、いろいろな業種に分散して持っておくことが、相場の「流行」に振り回されないいちばんの方法かもしれません。ニュースで「〇〇株が上昇」と聞いたら、「どこからお金が引っ越してきたのかな?」と考えてみると、相場がもっとおもしろく見えてきますよ。

ロキ兄
ロキ兄
※投資は自己責任でお願いします。

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