テクニカル基礎

ボリンジャーバンドとは?トレンドの強弱を可視化する投資家に愛される指標【ロキ兄さん/テクニカル基礎編】

相場の動きを理解し、未来の価格変動を予測することは、投資家にとって常に難しい課題です。統計学を応用したテクニカル指標であるボリンジャーバンドは、価格の変動を視覚的に表現し、相場のトレンドを把握するのに役立つ強力なツールとして多くの投資家によって使用されています。今回は、ボリンジャーバンドについて解説します。

 

ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドとは、アメリカの作家であり財務アナリストである「ジョン・ボリンジャー」氏によって考案されたテクニカル分析の指標です。

ボリンジャーバンドは、移動平均線を中心に、その上下に統計学を用いて計算された標準偏差を表示します。標準偏差とは、一定期間のデータの平均値から、そのデータがどの程度ばらついているかを示す数値です。

例えば、過去10日間のデータの平均値を計算した場合、データがばらついているほど標準偏差の数値は高くなります。つまり、標準偏差の値が高いほど、市場のボラティリティ(変動性)が高いことを意味しています。

この指標は、主にトレンドの強弱を分析するために用いられます。例えば、ボリンジャーバンドの標準偏差が拡大している場合、その方向への価格動きが強いと見なすことができます。視覚的にトレンドの強さを把握できるため、多くのトレーダーにとって重要なツールとなっています。

ロキ兄
ロキ兄
株価が何σかで現在の株価が高い・安いを判断できるね

 

標準偏差は通常、σ(シグマ)という記号を使って表されます。一般的に、以下のようなバンドが表示されます。

+3σ(アッパーバンド3)

+2σ(アッパーバンド2)

+1σ(アッパーバンド1)

-1σ(ロワーバンド1)

-2σ(ロワーバンド2)

-3σ(ロワーバンド3)

これらのバンドは、標準偏差に基づいて価格が収束する確率を示します。一般的に、以下のように解釈されます。

±1σ(シグマ)に収まる確率:68.2%

±2σ(シグマ)に収まる確率:95.4%

±3σ(シグマ)に収まる確率:99%

つまり、ほとんどの場合、価格は±3σ(シグマ)の範囲内に収まると考えられます。ただし、強いトレンドや急激な相場変動時などは、この範囲外に価格が逸れることもありますので、注意が必要です。

ロキ兄
ロキ兄
正直±3σに株価が触れると ボリンジャーバンドが正常に機能しないことが多いよ

 

ボリンジャーバンドの活用法

① 順張り型(ボラティリティー・ブレークアウト)

順張り型は、相場が保合い相場(値動きが乏しい状態)から脱し、急激な値動きが起きるタイミングを捉える戦略です。バンドの幅が狭まっている段階で相場の動きに注目し、終値が±2σをはみ出したら、そのトレンドに追随します。つまり、相場が動き始めたときに迅速にエントリーし、トレンドに乗ることで利益を狙う方法です。

 

② 逆張り型

逆張り型は、レンジ相場(値動きが上下に限定されている状態)に適した戦略です。ここでは、±1σ~±3σをそれぞれ下値支持線や上値抵抗線と捉え、株価が-1σ~-3σに近づいたときに買いポイント、+1σ~+3σに近づいたときに売りポイントと見ます。つまり、相場がバンドの範囲内に収束しているときにエントリーし、範囲の反転を狙う方法です。

 

③ バンドウォーク

バンドウォークは、相場にトレンドがある場合に適した戦略です。つまり、中心線の傾きが強い場合に用いられます。中心線と±2σライン、あるいは±1σラインと±2σラインの間で上下動を繰り返しながら、価格が上昇(下降)していくパターンを捉えます。この方法は、相場が明確なトレンドを形成しているときに、トレンドに乗ることで利益を狙う手法です。

 

これらの活用法を理解することで、ボリンジャーバンドの魅力的な特性を活かして、様々な相場状況に対応できるトレード戦略を構築できます。ただし、相場は常に変動しており、適切な判断が重要です。

 

ボリンジャーバンドの設定

ボリンジャーバンドは、中央の移動平均線(Simple Moving Average:SMA)に±1σおよび±2σを加えた5本のラインで構成されることが一般的ですが、ジョン・ボリンジャー氏は3本のラインを基本としました。

つまり、移動平均線と±2σの2本のラインのみを使用することを推奨しています。この設定が、よりシンプルで直感的な相場の動きを把握するために有効であるとされています。

バンドの比較

ボリンジャーバンドの設定において、期間も重要な要素です。ジョン・ボリンジャー氏は中期的なトレンドとボラティリティの情報を得るために、期間20を推奨しています。

この期間は、過去20日間の価格データを基にボリンジャーバンドを描画します。相場の変動を平滑化し、妥当なトレンド情報を提供するための期間として選ばれています。

 

まとめ

・ボリンジャーバンドは移動平均線と標準偏差を用いて相場のトレンドがわかる

・順張り型・逆張り型・バンドウォークなどの活用法がある

・移動平均線と±2σの2本のラインのみがわかりやすい

ボリンジャーバンドはトレンド分析において優れたツールであり、多くのトレーダーに愛用されています。

正しい活用法と注意点を理解し、自分のトレードスタイルに合わせて使いこなすことで、より精度の高いトレードが可能となります。自己のトレードスキル向上に向けて、ボリンジャーバンドを上手に取り入れていきましょう。

 

ロキ兄
ロキ兄
投資は自己責任で!一緒にしっかり勉強していきましょう!

 

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