ASML好決算 vs IBMショック!AI決算シーズンで鮮明になった「勝ち組・負け組」の違いを解説

目次
今週のニュース:CPI鈍化で1008円高、でも全員が上がったわけではない
7月14日(月)夜に発表された米国6月CPI(消費者物価指数)は、ガソリン価格の下落などを受けて市場予想を下回る鈍化を示した。これを受けて「FRBが利上げを急がないかもしれない」という期待が広がり、長期金利が低下。ナスダックは反発し、翌15日(火)の東京市場でも日経平均は前日比1008円高の6万8751円と続伸した。
しかし、この「AI・半導体株全般の買い戻し」の中に、一筋縄ではいかない動きが混じっていた。今週は決算シーズンが本格化し、ASMLの好決算と、IBMの「AIショック」が同じ日に市場を揺らしたのだ。
リコ
ASMLって聞いたことある! 半導体製造装置の会社だよね。でもIBMのAIショックって何? AIが失敗したの?
ロキ兄
今日はその2つの決算を比較しながら、「決算シーズンのAI企業、何で勝ち負けが分かれるのか」を深掘りするよ。水曜に学んだ「決算書の3つのポイント」と金曜の「PER・PBRの使い方」が、今日の話でぐっとリアルに感じられるはずだよ。
勝ち組①:ASMLの好決算——「AI需要の上流」が強かった
オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの4〜6月期決算は市場予想を上回り、東京市場でも半導体関連株を押し上げる追い風になった。
父
ASMLは「半導体を製造するための装置」を作っている会社だ。EUV(極端紫外線)露光装置という、現代の最先端半導体を作るには絶対に欠かせない装置を世界で唯一製造できる企業だよ。つまり「AI向け半導体を作るすべてのメーカーが、ASMLから装置を買わなければならない」という独占的な立場にある。
リコ
AI向け半導体を誰が作ってもASMLが潤う仕組みなんだ! それは強い。
母
ASMLが今回示した好業績のポイントは3つよ。①受注高が前年比で大幅増——来期以降の売上見通しが明るい。②粗利率が改善——値上げ力があることを示した。③ガイダンス(来期見通し)を上方修正——これが市場にとって最大のサプライズだったの。水曜に学んだ「ガイダンスが一番大事」の典型例ね。
「IBMショック」とは何か——良い決算なのになぜ株が揺れた?
一方、同じタイミングで話題になったのがIBMの決算だ。IBM自体は増収増益だったが、市場には「IBMショック」と呼ばれる動揺が走った。
ロキ兄
IBMのCEOが決算発表後のカンファレンスコールで「AIの導入が一部顧客で当初計画より遅れている」という趣旨の発言をしたんだ。数字は良かったのに、この一言が「AI需要はもしかして想定より遅い?」という不安を市場に与えて、AI関連株全般に一時的な売りが波及した。
リコ
良い決算なのに発言一つで株が下がる……水曜で学んだ「ガイダンスの方が大事」そのものだ!
父
正確にはこれは「ガイダンス」ではなくCEOの「コメント」だが、本質は同じだよ。株価は「将来への期待」で動く。「AIの本格普及がまだ先かもしれない」というCEOの言葉は、市場の期待を一時的に下方修正させた。だから「IBMショック」と呼ばれたんだ。
母
ただしIBM自体の株価は後から持ち直したの。「AI普及の遅れ」はIBMの個別問題である可能性が高く、ASMLの好決算が示す「AI向け半導体製造装置への需要は旺盛」という事実と矛盾しないと、投資家が冷静に判断し直したのよ。
ASML強い・IBM一時ショック——AI相場の「2層構造」が鮮明に
ロキ兄
今週の決算から、AI相場の重要な構造が見えてくるよ。AIには「インフラ層(装置・半導体)」と「アプリケーション層(AIを使うサービス・ソフトウェア)」という2つの層があるんだ。
父
インフラ層はASMLやエヌビディア、東京エレクトロンなどが該当する。AIブームの恩恵を直接受けやすく、今は需要が旺盛だ。一方のアプリケーション層——AIを使って新しいサービスを提供する企業——は、顧客がAIを実際に使い始めるまでの「導入の壁」がまだある。IBMはこのアプリケーション層が主戦場で、「導入遅れ」はこの壁を正直に示した発言だったと言える。
リコ
AIの「インフラを作る会社」と「AIを使ったサービスを提供する会社」では、今の恩恵の受け方が違うんだね。
母
それが今週の決算シーズンで鮮明になった分かれ目なの。でも「負け組」という言葉は正確じゃないかもしれないわ。AIのアプリケーション層の収益化は「今はまだ時間がかかる」だけで、中長期では大きな成長が期待されている。「今の勝ち負け」と「将来の勝ち負け」は違う可能性もあるの。
来週はGAFAM決算が本番——何を見ればいい?
ロキ兄
来週(7月下旬)からはいよいよアルファベット(グーグル)・マイクロソフト・メタ・アップル・アマゾンのGAFAM決算が本格化するよ。今日学んだ「インフラ層 vs アプリ層」という視点で見ると、どの会社が「AI需要の今の恩恵」を受けているかが見えやすくなるはずだよ。
父
特に注目すべきはガイダンスだ。各社がAI投資をどれだけ継続・拡大するかの見通しを示すかどうかで、AI相場の次の方向性が決まると言っても過言ではない。「数字より言葉」——これが決算シーズンの鉄則だよ。
リコ
今週は「決算書の読み方(水曜)→PER・PBRの使い方(金曜)→ASML vs IBM(今日)」と学んで、決算ニュースの見え方が本当に変わった! 来週のGAFAM決算が楽しみになってきた。
今日のまとめ
ロキ兄
今日のポイントをまとめるよ。①米国6月CPI鈍化→長期金利低下→日経平均1008円高という今週の流れ。②ASMLは市場予想超えの好決算+ガイダンス上方修正——「AI向けインフラ需要は旺盛」を確認。③IBMはCEOの「AI導入遅れ」発言で一時株安——良い決算でも言葉一つで市場が揺れることの典型例。④AI相場は「インフラ層(旺盛)」vs「アプリ層(普及待ち)」という2層構造が今週の決算で鮮明になった。⑤来週のGAFAM決算は「ガイダンス(AI投資継続の言葉)」に注目だよ。
リコ
「AIのインフラ」と「AIのアプリ」で投資家の見方が違う——これは来週以降のGAFAM決算を見るときにも使える知識だね!
ロキ兄
※投資は自己責任でお願いします。















