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注目銘柄!パナソニック(6752)
概要
パナソニックホールディングス株式会社は、パナソニックグループの統括持株会社であり、日本を代表する電機メーカーグループです。
長い歴史を持ち、エアコンや洗濯機などの家電製品から照明器具や車載分野まで、さまざまな分野で活躍しています。
今回は、パナソニックの歴史と事業内容、最新の決算についてご紹介します。
パナソニックの歴史
1917年松下幸之助氏は借家で電球用ソケットの製造販売を始めました。当時は幸之助氏の妻と妻の弟である井植歳男氏との3人で営業を行っていました。その後、1922年に新工場を建設し、松下電気器具製作所を創立しました。
1927年、パナソニックのブランド名「ナショナル」が誕生しました。最初に販売された商品は自転車用角型ランプであり、この商品から「ナショナル」の商標が使用されるようになりました。1929年には新工場が竣工し、生産拠点の拡大が進みました。
また、1931年にはラジオの生産を開始し、1932年には重要な特許を買収し、同業他社に無償で公開しました。この貢献は当時のエレクトロニクス業界に大きな影響を与えました。
1939年以降、パナソニックは戦争の激化に伴い、軍需産業へと本格的に参入していきます。分社の一つである松下電器は軍部命令により兵器類の部品の受注を受けるなど、戦争体制下での生産体制に移行しました。1943年には松下電器が松下航空工業に改組され、航空機関連の製造にも取り組むこととなりました。
しかし、1945年の日本の敗戦により、パナソニックは多くの在外資産を失うこととなりました。満州や朝鮮、台湾などの工場や営業所、海外事業所のほとんどが失われました。この敗戦による打撃は大きく、パナソニックは再建を余儀なくされることとなります。
第二次世界大戦後の1946年、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)から制限会社の指定を受けました。しかし、軍需産業と見なされた松下電工(当時は松下航空工業)以外の分社を再統合し、事業部制に戻して洗濯機などの製造を再開しました。その後、パナソニックは世界的な電機メーカーとしての地位を確立し、さまざまな革新的な製品や技術の開発に取り組んでいます。
1957年、全国の「街の電器屋さん」が加盟する日本初の系列店ネットワーク「ナショナル店会」(後のナショナルショップ制度)が発足しました。この制度は高度成長期において、パナソニックのナショナル店会は強力な販売網として機能し、ピーク時には全国で約5万店舗にまで増加しました。しかし、後継者不足や量販店との競争激化により、現在では約1万8000店舗にまで減少しています。
2000年代に入ると、パナソニックはデジタル家電製品の開発に力を入れました。液晶テレビ、デジタルカメラ、デジタルオーディオプレーヤーなど、革新的なテクノロジーを搭載した製品を次々に販売しました。また、2008年に現在の社名に改称し、ブランドを「Panasonic」に統一することで、世界的な知名度を確立しました。
世界的に有名な企業となっても顧客のニーズに応える革新的な製品開発や、社会課題の解決に向けた取り組みを通じて、より良い未来の実現に貢献している企業です。
事業内容
パナソニックホールディングスは、家電製品を中心に多角的な事業展開を行っています。家電業界では日本国内で唯一の総合家電メーカーとなり、家電分野の多くの部門でトップシェアを獲得しています。さらに、電池、住宅用太陽光発電、照明器具、電設資材、ホームエレベーター、電動アシスト自転車などの業界でも国内シェア1位を占めています。
今回は多様な製品や事業領域をもつパナソニックでも特に有力な事業をご紹介します。
くらし事業
食、家事、美容・健康の3領域において、人々のくらしに寄り添いながらお困りごとの解決に挑むことで培った「くらしの知見」と「くらしの接点」を活かし、世界中のお客様にウェルビーイングなくらしを提案しています。さまざまな先進技術を組み合わせた商品ラインナップが、快適で便利なくらしを実現します。
一部を紹介するとキッチンでの料理や調理をサポートする製品群は、幅広いラインナップで展開されています。スチームオーブンレンジやIH調理器、ジャー炊飯器、ホームベーカリーなど、一人暮らしから家族向けまで、さまざまなニーズに対応した製品があります。
この事業での売上高、利益はパナソニック全体の4割を占める主力事業です。さまざまな製品に独自のクリーンテクノロジー技術である、ナノイー(帯電微粒子水)が使われているのが特徴です。
オートモーティブ事業
パナソニックらしさを活かした車載システム、デバイス、ソフトウェアの開発を通じて、カーメーカーのクルマづくりとひとの移動体験に新しい価値を創出し続けています。その取り組みを通じて、快適な移動と安全なモビリティ社会の実現を目指しています。
パナソニックは、デジタルAVの領域で培った先進技術を活かし、自動車コックピットのエレクトロニクス化や新たな車内空間の開発を行い、快適な移動を実現しています。次世代コックピットシステムやカーナビゲーション、コネクテッドディスプレイオーディオ、プレミアムサウンドシステムなど、さまざまな製品が提供されています。
また、車載充電システムや電動化システムの提供に取り組んでいます。欧米での電気自動車普及が急速に拡大しているので、今後の収益の柱となる事業と言えます。
パナソニックは他にも企業向け製品・サービスへの注力や国内外企業との提携・合弁・事業移管など、多角的な成長戦略を展開しています。他の大手企業との提携、合弁、事業移管も積極的に行っており、ソニーや東芝、日立製作所、オリンパス、富士フイルムなどとの関係を構築しています。パナソニックは自社の技術と他社の技術の交流を図り、さらなる競争力の強化に繋げています。
最新の決算
パナソニックは5月10日に決算を発表しました。内容を大まかにまとめると、
売上高:
2022年度の売上高は8兆3,789億円で、前年比+13%の成長を達成しました。半導体不足による生産・販売への影響などはありましたが、自動車生産の回復を受けた車載機器、車載電池などの販売増に加え、為替換算の影響もあり、増収となりました。
営業利益:
営業利益は2,886億円で、前年比-19%の減少となりました。原材料価格高騰や固定費増加などの影響を、増販益や価格改定などの取り組みでカバーできず、前年の一時益の反動などもあり、減益となりました。
今後の見通しについては次のように考えています。
売上高:
2023年度における売上高は8兆5,000億円と見込まれており、前年比+1%の増収が見込まれています。この成長は、欧州のA2W(ヒートポンプ)需要の増加、自動車生産の回復、そして米国市場での車載電池の伸長などによるものです。
営業利益:
営業利益については、4,300億円と見込まれており、前年比+49%の大幅増加を見込んでいます。この増加は価格改定、合理化の対応、さらには米国インフレ抑制法の補助金収入などにより、増益が期待されています。
パナソニックは、2023年度においても成長を続ける見通しです。競争力強化のための取り組みや新たなビジネス領域への進出など、積極的な戦略の展開が期待されます。
本日の株価
MARKET SPEED
日本を代表する電機メーカーパナソニック(6752)の本日の株価は、
前日比-19円(-1.13%)現在値1,659.5円と下落に。
久々の下落ですが、まだまだ上昇トレンドが続きそうです。
今期の決算も営業利益が大きくマイナスとなりましたが、来期の見通しは期待できそうです。