本日も注目銘柄をゆる~く語っていきます。
注目銘柄!マツダ(7261)
概要

日本の自動車業界において、その独自のデザインと技術で知られるマツダ株式会社は、広島県に本拠を構える自動車メーカーです。
国内メーカーではトヨタ、日産に次ぐ3社目の国内生産累計5000万台を達成しました。
今回は、マツダの歴史と事業内容、決算情報やチャート分析をご紹介します。
マツダの歴史

マツダ株式会社の源流は、1920年に広島市中島新町に設立された東洋コルク工業株式会社です。当初はコルクの製造・販売事業を行っていましたが、経営の困難さから広島貯蓄銀行を中心に設立され、これが後のマツダの礎となることとなりました。
1921年、経営の専念が可能な人物として松田重次郎氏が社長に就任しました。彼はコルクの製造過程での廃材を活用する新たなアイデアを見出し、加熱製法による圧搾コルク板の商品化に成功しました。海軍からの受注を獲得し、経営は徐々に回復していきました。
東洋工業は軍需産業の下請けとしての活動から脱却し、独自の製品を手に入れるべく、自動車産業への進出を模索していました。自動車製造への道を進むため、マツダは1931年に初の三輪トラック「マツダ号DA型」の生産を開始しました。
1950年には東洋工業初の四輪車、CA型を発売しました。1959年には軽乗用車の開発に着手し、1960年には四輪乗用車として初めてR360クーペを発売しました。この車種は大ヒットを記録し、その後もキャロル360やファミリアシリーズを含む多くの車種を投入しました。
1984年、社名をマツダ株式会社に変更しました。同時にアメリカへの工場進出も発表され、新たな展開が始まりました。
しかし1990年代初頭にはバブル経済が崩壊し、販売台数は急激に減少しました。拡大策による高コスト体質やブランドイメージの毀損も影響し、マツダは赤字を計上し続けました。
1996年にはフォードから派遣されていたヘンリー・ウォレスが社長に昇格し、日本の自動車会社初の外国人社長が誕生しました。ウォレスは厳しい経営改革を推進し、保有株式や不要な資産の売却、開発部門におけるコスト削減などを実施しました。
2001年、新たなブランドメッセージ「Zoom-Zoom」を打ち出し、新型車のアテンザとRX-8を投入。特にアテンザは高い評価を受け、ブランド再興の象徴となりました。
2000年代以降、マツダは「モノ造り革新」という大胆な戦略を打ち出し、新たな技術やアプローチを取り入れながら自動車製造の未来に挑戦してきました。
2015年には、マツダはスカイアクティブ技術と「魂動」デザインを採用した4代目ロードスターが世界的な賞を受賞するなど、技術とデザインの両面での成功を収めました。この成功によって、2016年の決算では過去最高の営業利益を記録し、その後も業績の好調を維持しています。
「モノ造り革新」の挑戦は、マツダが自動車業界で新しい方向性を示し、継続的な成功を収めるための大切な一歩となりました。
事業内容

マツダは自動車の生産・販売を主軸としています。他にもモータースポーツ事業の展開やスポーツチームのスポンサーを務めるなど、マツダは様々な活動を行なっています。今回はその中でも主軸となる自動車におけるマツダの技術力についてご紹介します。
スカイアクティブ・テクノロジー
2011年、マツダは自動車の要素すべてを刷新し、「スカイアクティブ・テクノロジー」を発表しました。
この新しいテクノロジーは、エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーなど、車のすべての要素を最適化し、燃費性能を向上させると同時に、コスト競争力を保ちつつ高い安全性と走行性能を実現するものでした。
このテクノロジーの開発には、「モデルベース開発」と呼ばれる手法が用いられました。この手法は業界でも随一のものであり、その開発力は他社から高く評価されました。
2017年には世界で初めて圧縮着火による燃焼方式を実用化したガソリンエンジン「SKYACTIV-X」が発表され、その後も継続的な技術革新が行われています。
デザイン
マツダは長い歴史の中で、工業デザインへの意識を早い段階から持つ先駆的な自動車メーカーでした。特に1980年代後半から1990年代前半にかけて、マツダは「ときめきのデザイン」をテーマに、ボディの光と影をコントロールする独自の造形を追求しました。初代ロードスターや初代RX-7などのデザインは、その美しさと機能性の両立が高く評価され、美術館に展示・収蔵されるほどの名車となりました。
2016年には、4代目ロードスターが日本車として初めて「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、マツダのデザインの高い評価が国際的にも確立されています。
マツダコネクト
マツダコネクトは、マツダが開発したカーナビゲーションシステムおよびインフォテインメントシステムです。車内でのヘッズアップディスプレイやスマートフォンの連携などを通じて、運転中の安全性と便益を向上させる機能を提供しています。ナビゲーション機能は、地図データを更新することで最新の情報を提供し、またインターネットラジオやSNSとの連携なども可能です。
また、マツダコネクトはトヨタやフィアットなど他の車種でも採用されるなど、その高い機能性が広く認められています。
最新の決算

マツダは8月8日に第1四半期決算を発表しました。
『第1四半期のグローバル販売は、中国とASEAN地域を除いて、計画通りの好調な数字を記録しました。特に、前年と比べて大幅に改善された販売台数は、我々の努力と顧客からの信頼の賜物です。ラージ商品の台数貢献も、設定された計画通りに進展し、成果を上げました。
営業利益については、前年同期に影響を及ぼした上海ロックダウンの影響から大幅に改善しました。このポジティブな変化は、市場の変動に対する我々の適切な対応と、チーム全体の協力の賜物です。
最後に、電動化への取り組みについても着実な進捗が見られています。環境への配慮と未来への展望を持ちながら、我々は電動化技術の開発を進めています。これからも、持続可能なモビリティへの貢献を進めていく所存です。』
売上高:1兆909億円 (+76.8%)
営業利益:300億円 (―-%)
経常利益:639億円(+208.3%)
純利益:372億円 (+148.3%)
また、今後の見通しについては以下のようになっています。
売上高が約+17.6%、営業利益が約+26.8%、経常利益が約-7.5%、純利益が約-9.0%となっています。
チャート分析

MARKET SPEED
週足10年チャートを確認すると、下は500円から上は3,270円の範囲で推移しています。
2020年に下値をつけてから緩やかな上昇トレンド。
マツダは自動車株なので為替の影響が特に大きいことには注意したいところです。
テクニカル指標で見るとRSIはやや高め、ボリンジャーバンドも少し高めを示しています。
ストキャスは高い値でデッドクロスを形成しそう。
パラボリックは6月末から上昇トレンドのままを示してます。
一目均衡表の雲は1,100円近くなのでそこが抵抗になるかな?