目次
1. インフレ──「お金の価値」が下がる現象
**インフレ(インフレーション)**とは、モノの値段が上がり、お金の価値が下がる現象のことです。
たとえば、去年100円で買えたパンが、今年は120円になっていた──
それがインフレの具体的な姿です。
インフレが起きると、貯金の“実質的な価値”は目減りします。
100万円をタンス預金しても、数年後にはそのお金で買えるものが減ってしまうのです。
ただし、インフレが「適度」であれば、経済が成長している証拠でもあります。
企業の利益が増え、賃金が上がり、人々の購買意欲が高まる──
そんな“健全なインフレ”もあるのです。
2. ボラティリティ──「値動きの激しさ」を示す指標
ボラティリティ(Volatility)とは、株や為替などの価格変動の大きさを表す言葉です。
値動きが激しい市場ほどボラティリティが高く、リスクも高いことを意味します。
たとえば──
株価が1日で+5%上がる → 翌日に−7%下がる
為替が1ドル=150円 → 翌週には140円
こうした「上がったり下がったり」の幅が大きいほど、
ボラティリティの高い市場ということになります。
ボラティリティは、リスクとチャンスの両面を持っています。
高いボラティリティ → 利益チャンスが大きいが損失リスクも大きい
低いボラティリティ → 安定しているが短期利益は出にくい
投資では、自分の性格や目的に合わせて、
「どの程度のボラティリティを許容できるか」を見極めることが大切です。
3. PER(株価収益率)──株価の“割高・割安”を測るものさし
PER(ピー・イー・アール)は「Price Earnings Ratio」の略で、
日本語では株価収益率と呼ばれます。
これは、株価がその企業の1株あたり利益(EPS)の何倍になっているかを示す指標です。
計算式
PER=株価1株あたりの純利益(EPS)PER = \frac{株価}{1株あたりの純利益(EPS)}
たとえば──
株価が1,000円で、EPS(1株あたり利益)が50円の場合:
PER=1,000÷50=20倍PER = 1,000 ÷ 50 = 20倍
つまり「この企業の株価は利益の20年分の期待で買われている」と考えられます。
一般的に:
PERが低い → 割安(または成長期待が低い)
PERが高い → 割高(または将来の成長期待が高い)
ただし業種によって“適正PER”は違います。
テクノロジー株のように成長性が高い分野では30倍を超えることもありますし、
安定した電力・金融などの業種では10倍前後が目安です。
4. あわせて覚えたい!投資の基本用語集
| 用語 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 株価指数 | 市場全体の動きを示す指標(例:日経平均、NYダウ) | 経済全体の“体温計” |
| 配当 | 企業が利益の一部を株主に還元するお金 | 安定した企業は配当も安定 |
| ポートフォリオ | 投資の組み合わせ | リスク分散の基本 |
| 分散投資 | 複数の資産に分けて投資する手法 | 一つの失敗が全体に響かない |
| ロスカット(損切り) | 損失を広げないための売却 | 感情よりルールで判断 |
| 信用取引 | 証券会社から資金を借りて取引する | ハイリスク・ハイリターン |
| 為替リスク | 通貨の変動による損益リスク | 海外投資では常に意識を |
| レバレッジ | 借入で取引額を拡大する仕組み | 少ない元手で大きく動く |
| インデックス投資 | 株価指数と同じ動きを目指す運用 | 長期・分散の王道戦略 |
| ETF | 株のように売買できる投資信託 | インデックス投資の実践形 |
これらをセットで理解すると、ニュースやSNSの“投資情報”が一気にクリアになります。
5. ニュースの裏側を“理解できる投資家”になろう
たとえば、ニュースで「FRBが利上げ」「日経平均が下落」「インフレ率が上昇」などと聞いても、
これらの用語の意味を知っていれば、
「どうして株が動いたのか」「どの資産に注目すべきか」を自分で判断できます。
SNSで話題になる投資情報も、
“言葉の背景”を理解しているだけで精度が上がる のです。
まとめ|投資の基礎用語は「資産を守る辞書」
インフレ=お金の価値が下がる現象
ボラティリティ=値動きの激しさ、リスクの目安
PER=株価の割安・割高を測る指標
その他の基本用語もニュース理解に直結
投資の世界は、一見むずかしい用語が並びます。
しかし、一つひとつの意味を知るだけで、
ニュースの背景がわかり、相場の流れが見えてくるようになります。
“言葉を理解すること”=“未来を読む力を持つこと”。
今日の学びを、ぜひあなたの投資判断に活かしてみてください。















