株式投資を始めると、株主として企業の一部を所有することになります。株主になることで、企業が利益を出した際に配当を受け取る権利を得ることができます。その中でも、配当利回りは株主にとって重要な指標の一つです。今回は、株の配当利回りについて初心者の方にもわかりやすく解説します。
配当とは
配当とは、株主に対して企業から定期的に支払われる利益のことです。株主は株式を所有しているため、その企業の成功や利益に参加する権利を持っています。
株式会社は事業資金を株主から集め、その資金を使って事業活動を行います。そして、利益が出た場合には、株主に対して配当として一部を還元する仕組みがあります。このような仕組みがあることで、企業は株主の投資に対する見返りを提供し、株という仕組みが成り立っているのです。
配当は株式の保有量に応じて分配されます。つまり、株を多く保有していれば配当金も多くなります。また、企業の業績が好調であれば、大きな配当を受け取る可能性もあります。
ただし、配当は企業の利益に基づいて分配されるものであり、赤字だったり利益が僅少だったりする場合には、配当が支払われないこともあることに注意しましょう。
配当金の支払い方法は企業によって異なります。一般的には年に一度の配当が行われますが、半期ごとに中間配当を支払う企業もあります。また、業績が非常に良かった場合には特別配当が行われることもあります。さらに、企業の創立記念や上場記念などの特別な日には記念配当が行われることもあります。
配当利回りとは
配当利回りは、1株当たりの年間配当金額を1株の購入価格で割り、その結果を100倍してパーセンテージで表したものです。つまり、配当利回りは投資した『今の株価に対して1年間でどれだけの配当を受け取れるか』を示しています。
配当利回りは、投資家が株式を選ぶ際の重要な指標の一つです。高い配当利回りを持つ株式は、投資家にとって魅力的な選択肢となります。
例えば、配当金額が1,000円で株価が30万円の株式と、配当金額が800円で株価が24万円の株式がある場合、見た目ではどちらの株式の配当が優れているか分かりません。
しかし、配当利回りを計算するこことで、より客観的な比較が可能になります。例えば、両社の場合、配当利回りはどちらも3.33%になり、同じ配当利回りということがわかります。
ただし、配当利回りだけで株式を判断するのは危険です。株価や企業の財務状況なども総合的に考慮する必要があります。先ほどの配当のところでも言いましたが、赤字だったり利益が僅少だったりする場合には、配当が支払われないこともあります。そういった可能性も考慮に入れておきましょう。
配当利回りは一つの指標ですが、株式の評価においては他の要素とも合わせて判断する必要があります。単に配当利回りだけで判断すると、企業の将来性や成長性を見落とす可能性があります。配当利回りを考慮しながらも、投資のリスクとリターンをバランスよく考えることが重要です。
配当利回りどれくらいがいいの?
一般的に、配当利回りが4%を超える銘柄は、配当利回りが高い高配当銘柄と言われます。ただ単純に現在の配当利回りだけが高い銘柄ではなく、
・配当金の減少や無配などが無い(または少ない)
・配当金が増加している
・会社の業績が安定している
・株価の値動きが安定している
などの要素も考えるといいと思います。ちなみに日本株の配当利回りの平均については、日本取引所グループが毎月データを更新していますので、そちらを確認しましょう。
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/03.html
最新の配当利回り平均(2023年5月)
・プライム市場 配当利回り 2.26%
・スタンダード市場 配当利回り 2.25%
・グロース市場 配当利回り 0.33%
(おまけ)配当にも税金がかかるよ!
個人の配当金に対する税率は、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)となっています。なので、この記事に書いてある配当利回りの%をそのまま貰えるわけではありません。
配当利回り×0.8が税引き後の本当の配当利回りです。
仮に配当利回りが4%の株があるとすると、4×0.8=3.2%が本当の配当利回りになるので注意しましょう。
ちなみに、NISA口座で保有する株式の配当金は非課税となりますのであまり売買しないつもりなら、NISA口座での保有がオススメです。
まとめ
株主は株を買うことで配当が貰えます。配当が今の株価の何%なのかわかりやすくしたのが配当利回りです。
配当利回りは株式投資において重要な要素の一つですが、単独の指標としては限定的です。投資家は配当利回りを考慮しながらも、企業の財務状況や将来の成長性、業界の動向などを総合的に判断し、投資先を選ぶことが重要です。