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「日本資本主義の父」渋沢栄一に学ぶお金の知恵
こんにちは、『えすふぁみ☆家族で株投資』です。
金曜日は「株や投資雑学」。今回は新一万円札の肖像に選ばれた 渋沢栄一 を取り上げます。
「近代日本経済の父」「日本資本主義の父」と称される偉大な実業家で、約500社の企業や600もの社会事業に関わった人物です。
現代の私たちの投資生活やお金の考え方にも通じる学びがたくさんあります。
1. 生い立ちと特徴
渋沢栄一は1840年、現在の埼玉県深谷市・血洗島の農家に生まれました。
幼少期から藍玉の製造や養蚕業を手伝い、働きながら父から読み書きや算術を学びました。また、親戚である尾高惇忠から「論語」などの儒学を学び、道徳心と商才を両立させる基盤を築いていきます。
若い頃は尊王攘夷を志し、一時は過激な計画を抱いたこともありましたが、やがて一橋慶喜に仕え、財政改善の手腕を発揮。その能力を高く評価されました。
2. パリ万博と欧州視察
27歳のとき、徳川昭武に随行して パリ万博 へ渡航。ヨーロッパ各国を視察し、株式会社や銀行といった仕組みに触れました。
そこで衝撃を受けたのが「収益を分け合う仕組み」。資本を出した人と経営に関わる人が協力して利益を共有する考え方は、帰国後の渋沢に大きな影響を与えました。
欧米で見た制度を日本にどう根づかせるか――これが彼の生涯のテーマになります。
3. 実業家としての功績
明治維新後、大蔵省に勤めた渋沢でしたが、官僚よりも実業の世界で活躍したいと考え、明治6年(1873年)に辞職。ここから本格的な実業家人生が始まります。
まず設立したのが 第一国立銀行(現みずほ銀行)。日本で初めての近代的銀行であり、渋沢は頭取としてその運営に尽力しました。
さらに以下のような、現代にも残る大企業の設立・経営に深く関わります。
東京海上火災保険
東京ガス
日本郵船
帝国ホテル
JR東日本
また、東京商工会議所の初代会頭を務め、政府と実業界の橋渡し役としても活躍しました。教育・福祉分野にも力を注ぎ、早稲田大学・日本女子大学・日本赤十字社の設立や支援にも関与しています。
4. 「論語と算盤」──道徳と経済の両立
渋沢栄一の思想を象徴するのが 「道徳経済合一説」。
彼は『論語と算盤』で「利益追求だけではなく、道徳を伴った経済活動が必要だ」と説きました。
つまり、
商売で利益を出すことは正しい
ただし社会のためにならない儲けは長続きしない
道徳と利益を両立してこそ真の発展がある
という考え方です。
現代の投資に置き換えると、ESG投資(環境・社会・ガバナンスを意識した投資)の精神にも通じます。
5. 晩年の活動とその後
70歳で実業界を引退した渋沢は、その後も社会事業や民間外交に尽力しました。
平和のための国際交流、赤十字活動、福祉の拡充など、最期まで「社会のために」という姿勢を貫き、91歳で生涯を閉じました。
2024年、新一万円札の肖像に選ばれたのは「現代日本に残した功績の大きさ」の証といえるでしょう。
まとめ|渋沢栄一から学べる投資の姿勢
渋沢栄一の人生には、私たちが投資を考える上で役立つヒントが詰まっています。
経済活動には道徳を忘れないこと
短期の利益よりも長期的な信頼を重視すること
社会全体の発展を意識してこそ、持続的な成長があること
渋沢栄一の精神は、投資やビジネスを学ぶうえで大切な指針になります。
「論語と算盤」の心を、私たちの日々の投資やお金の使い方にも活かしていきたいですね。