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注目銘柄!東レ(3402)
概要
東レ株式会社は、東京都と大阪府に本社を置く大手化学企業です。基本的な素材から出発し、創業以来、新たな分野や素材の研究開発に積極的に取り組んできました。
最初は繊維分野からスタートしましたが、それに留まらず、フィルム、ケミカル、樹脂、電子情報材料、炭素繊維複合材料など、多岐にわたる分野で革新的な先端材料や高付加価値製品を創り出しています。
今回は、東レの歴史と事業内容、決算情報やチャート分析をご紹介します。
東レの歴史
化学繊維の発展は、19世紀にさかのぼります。日本でも1918年、秦逸三らの手により帝国人造絹絲(現在の帝人)が誕生し、化学繊維の可能性が広まった時代でもありました。
この化学繊維の時代に対応すべく、1926年、三井物産の出資により東洋レーヨンとして創業されました。
創業初期、東洋レーヨンは滋賀県大津市に滋賀事業場を開設し、生産を開始しました。そして、1951年には米・デュポン社からナイロンの製造技術を導入し、1958年(昭和33年)には帝人と共同でポリエステル繊維「テトロン」を生産するなど、次第に業績を伸ばしていきました。
1964年には、日本初の丸洗い可能な着物「シルック」を開発し、さらにアクリル繊維の「トレロン」も開発。トレロンは、洗濯機で洗濯しても縮まないという革新的な特性を持つことで注目されました。
1970年、会社名を東レに変更し、高級人工皮革「エクセーヌ」、炭素繊維「トレカ」、静電気の発生を防ぐ「パレル」など、さまざまな製品を開発しました。
1986年には、家庭用浄水器「トレビーノ」や眼鏡のレンズクリーンシート「トレシー」など、現在も私たちの生活に革新的な化学製品を提供し続けています。
2008年に、東レ株式会社は国連協会ニューヨーク本部から「ヒューマニタリアン賞」を受賞しました。この賞は、2008年のテーマとして「環境・気候変動」を掲げ、ミレニアム・ゴールの一環として「環境の持続可能性の確保」に焦点を当てたものでした。
日本企業としては初めて国連協会ニューヨーク本部から「2008年ヒューマニタリアン賞」が授与されました。この名誉ある賞は、2008年(平成20年)10月23日にニューヨークの国連本部で行われた授賞式で、当時の榊原定征代表取締役社長を代表として出席し、三井グループの主要企業からも幹部が同席しました。
この受賞は、東レ株式会社の持続可能なビジネスモデルと国際的な環境への貢献を認める重要な瞬間であり、同社がヒューマニタリアン賞を誇りに思う理由の一つです。
東レ株式会社は、化学技術を駆使して様々な分野で高付加価値な製品を創り出し、その歴史的な成功を積み重ねてきました
引用:https://www.toray.co.jp/aboutus/history/
事業内容
東レ株式会社は、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーといったコア技術を活かし、世界26カ国・地域で5つの主要事業を展開しています。以下にそれぞれの事業を詳しく紹介します。
1. 繊維事業
繊維事業では、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの3大合成繊維を幅広く展開しています。これらの原糸・原綿から、衣料用テキスタイル、縫製品、エアバッグ、シートベルト、火力発電用バグフィルターなど、多岐にわたる産業資材に至るまで、グローバルに事業を展開しています。繊維分野での長年の経験と専門知識に裏打ちされた製品は、高品質と高性能を備えています。
2. 機能化成品事業
機能化成品事業では、樹脂、フィルム、ケミカル製品、電子情報材料の4つの分野で多様な素材を提供しています。特に、ポリエステルフィルムや特殊有機溶剤の世界ナンバーワンメーカーとして国際的な競争力を持ち、環境に配慮した製品の開発にも注力しています。持続可能な未来への貢献が特筆されます。
3. 炭素繊維複合材料事業
東レは炭素繊維の世界的リーダーとして、航空機や自動車、圧力容器、風力発電の風車、建築補強材料、スポーツグッズなど、多くの分野で高評価を受けています。炭素繊維は軽量化に貢献し、大幅な省エネ効果をもたらすことから、地球温暖化問題への解決策としても注目されています。
4. 環境・エンジニアリング事業
環境・エンジニアリング事業では、水処理膜をフルラインナップで提供し、逆浸透膜(RO膜)などの高度な水処理技術を駆使して、21世紀の水需要に対応しています。世界トップレベルの技術力を持つことで、水資源の確保に向けた重要な役割を果たしています。
5. ライフサイエンス・その他
ライフサイエンス事業は、医薬事業、医療材事業(人工腎臓、コンタクトレンズなど)、バイオツール事業(超高感度DNAチップなど)を主力とし、分析、調査、研究支援などのサービス事業も展開しています。東レはライフサイエンス分野で健康と福祉の向上に貢献しています。
これらの多様な事業分野において、東レ株式会社は高品質な製品と技術の提供を通じて、世界中の顧客と協力し、持続可能な未来の実現に貢献しています。
引用:https://www.toray.co.jp/saiyou/fresh/company/business.html
最新の決算
東レは8月7日に第1四半期決算を発表しました。
『衣料用途が欧米の市況の悪化と、衛材用途が需給バランスの悪化の影響を受けて低調に推移しました。一方、産業用途では自動車用途の需要が回復傾向にあり、欧州における天然ガス価格の低下によりスプレッドが改善しました。
樹脂事業は中国市場の需要減少などの影響により低調でした。ケミカル事業では、カプロラクタム市況の低迷や需要減の影響を受けました。
フィルム事業の光学用途、電子部品関連、および電子情報材料事業の回路材料では、サプライチェーンの在庫調整により需要が減少しました。』
売上高:5,780億円 (-4.6%)
営業利益:207億円 (-59.1%)
経常利益:251億円(-56.1%)
純利益:160億円 (-61.9%)
また、今後の見通しについては、以下の通りとなっています。
売上高が約+2.8%、営業利益が約+25.0%、純利益が約+4.4%を見込んでいます。
引用:https://www.toray.co.jp/ir/library/
チャート分析
MARKET SPEED
週足10年チャートを確認すると、下は400円から上は1,210円の範囲で推移しています。
2017年から2020年にかけて長く大きな下落トレンドとなっていました。
2022年の3月から現在まで緩やかな上昇トレンドとなっています。
テクニカル指標で見るとRSIは標準、ボリンジャーバンドはやや高めを示しています。
ストキャスはやや高い値でデッドクロスを形成。
パラボリックも直近で上昇トレンドを示しています。
一目均衡表の雲がすぐ下にあり分厚いので大きな支えになってくれそうです。