夕食後のリビング。テレビから流れるニュースを見ながら、リコちゃんが首をかしげた。
カズ父さんはメモを閉じて、少し考えてから答える。
目次
◆ 最大の転換点:「円安への警戒」を一段引き上げ
2026年1月23日に行われた金融政策決定会合後の会見で、植田和男総裁は、これまでよりも踏み込んだ言葉を使った。
「以前と同じ程度の円安であっても、小さな動きに注意を払っていく」
これは、かなり重要な発言だ。
これまで日銀は、
円安は賃上げを促す
デフレ脱却にプラス
という側面を重視してきた。
しかし今は違う。
物価目標(2%)が見えてきた
企業の価格転嫁が進んだ
為替変動がすぐ国内価格に跳ね返る構造に変化
現実には、政策金利を0.75%に引き上げた後も円安は止まらず、
1ドル=160円の節目が視野に入っている。
◆ 金融政策の現状と「次の利上げ」の行方
今回の会合では、政策金利は0.75%程度で据え置きとなった。
ただし、内部では温度差もある。
高田創審議委員は、
物価目標はおおむね達成
1.0%程度への利上げが妥当
として、据え置きに反対した。
植田総裁は、
目標実現の確度が高まれば
緩和度合いをさらに調整(=利上げ)
と明言している。
特に注目されたのが、
「4月の価格改定動向に、ある程度の関心を持っている」
という発言だ。
また、政策対応が後手に回る
「ビハインド・ザ・カーブ」
ではないとしつつ、そうならないよう慎重に運営すると強調した。
◆ 長期金利の急騰と「政治の影」
今回の会見で、もう一つ強い言葉が使われたのが長期金利だ。
植田総裁は、最近の動きを
「かなり速いスピード」
と表現し、市場のボラティリティに警戒感を示した。
背景には、政治の動きがある。
高市早苗首相による
「食料品の消費税率ゼロ」 への言及。
これが、
財政拡張懸念
国債増発不安
を呼び、
40年国債利回り:4.215%
30年国債利回り:3.875%
と、過去最高水準を更新した。
日銀は、
「例外的な状況では、機動的にオペを行う」
と、市場介入の構えも改めて示した。
◆ 展望リポート:物価目標は“射程圏内”
同時に公表された展望リポートでは、物価見通しが上方修正された。
2026年度コアCPI:1.9%(前回1.8%)
エネルギーを除くコアコアCPIも全年度で引き上げ
これは、
「一時的ではなく、持続的な物価上昇」
に近づいている証拠だ。
◆ 市場の反応:円と金利は神経質に
為替市場は、会見中に
159円台 → 157円台半ば
と大きく振れた。
SMBC日興証券のSMBC日興証券・牧野氏は、
「為替レートが当面の金融政策のカギを握る」
と指摘。
もし政府・日銀の介入で
148円程度まで円高になれば、
利上げを急ぐ必要は薄れ
日銀は様子見に入る可能性
があると分析している。
◆ えすふぁみ的まとめ:日銀は“悪い円安”を恐れ始めた
日銀は円安をより危険な存在として認識
次の利上げは「4月」が重要
財政政策が金利上昇を加速
為替が政策判断の中心に
◆ さいごに
カズ父さんは、静かにこう締めくくった。
160円が現実味を帯びる中で、
日銀はついに “悪い円安”への本格警戒モード に入った。
えすふぁみ一家と一緒に、
これからも“お金のニュースの裏側”を、分かりやすく読み解いていこう。

















