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中国の反撃、はったりか?それとも“長期戦”の始まりか
こんにちは、『えすふぁみ☆家族で株投資』です。
10月中旬、世界の金融市場を再び揺るがせるニュースが入りました。
米中貿易摩擦がいよいよ「新たな段階」に突入。
中国が、成長産業に欠かせない レアアース(希土類)輸出規制を強化 し、米国への“反撃”に出たのです。
表向きには「輸出管理の厳格化」ですが、その裏には、米国による100%追加関税とソフトウェア輸出規制への対抗措置という思惑が見え隠れします。
果たしてこれは「はったり」なのか、それとも「長期戦の覚悟」なのか。
今回はその背景と影響を、家族で一緒に考えていきましょう。
レアアース――中国が握る“最後の切り札”
実はその通り。
レアアースの生産で中国は世界シェアの約70%以上を占めています。
1970年代、鄧小平氏は「中東に石油があるように、中国にはレアアースがある」と語りました。
その言葉が、今になって現実味を帯びているのです。
中国はこの“資源カード”を使って、アメリカへの圧力を強めています。
しかし専門家の中には、「これは強さではなく、むしろ弱さの裏返しだ」と見る声も。
「はったり」説と「長期戦」説
米ブルッキングズ研究所のロビン・ブルックス氏は、中国のこの動きを「強がり」と分析しています。
彼によると、中国は米国向け輸出の減少を他国への“安売り(ダンピング)”で補っており、利益率はすでに圧迫されているとのこと。
一方、アカデミー・セキュリティーズのピーター・チア氏は「今回は中国が“仕掛けた側”」だと指摘しています。
これまで米国の圧力に反応していた中国が、今回は自ら先にカードを切った――。
その背景には、「半導体やAI分野での自立を進める好機」との狙いがあるとも言われています。
世界が抱える“依存のリスク”
その通り。
バッテリー、モーター、通信機器、風力発電――すべてにレアアースは使われています。
もし供給が止まれば、工場も製品も止まり、経済全体が打撃を受けます。
この構図は、かつてヨーロッパがロシア産ガスに依存していた状況に似ています。
「効率化」の裏でリスクを積み上げてきたツケが、今表面化しているのです。
市場の反応と“嫌なサプライズ”
今回のニュースは、市場にとって完全なサプライズでした。
バンク・オブ・アメリカの最新調査によれば、投資家たちは「貿易戦争リスク」をほとんど織り込んでいなかったのです。
この“嫌なサプライズ”が、今後の市場のボラティリティ(値動き)を大きくする可能性があります。
短期的にはリスクオフ(安全資産への逃避)が強まり、円高や金価格上昇の動きも出ています。
本格的な“経済の長期戦”へ
実際、アナリストの間では「この対立は数年単位で続く」との見方が強まっています。
そして、長期戦に備えて動いているのは国家だけではありません。
企業も投資家も、「依存リスクの分散」「戦略資産の確保」に動き始めています。
まとめ|“はったり”でも、“覚悟”でも
中国のレアアース規制は、はったりかもしれません。
しかし、その一手が世界経済に与える影響は本物です。
・レアアース=中国最大の戦略カード
・米中の「報復の連鎖」で市場は神経質に
・依存リスクが露わになり、サプライチェーン再構築の動きへ
・長期戦に備え、企業・投資家の“選別”が進行
世界が「はったり」と「覚悟」の間で揺れる中、
私たちも“長期的な視野”で備えることが求められています。



















