本日も注目銘柄をゆる~く語っていきます。
注目銘柄!日本特殊陶業(5334)
概要
日本特殊陶業株式会社は、スパークプラグやセラミックス製品を製造するメーカーであり、愛知県名古屋市東区に本社を置いています。
「世界最大のセラミックス企業グループ」の森村グループの一員であり、全世界で事業を展開。海外売上比率は8割を超えています。
今回の減配で株価が大幅下落に!今後の見通しは大丈夫なのでしょうか。
今回は、日本特殊陶業の歴史と今回の決算、スパークプラグの今後について紹介していきます。
日本特殊陶業の歴史

明治時代に江副孫右衛門(えぞえ まごえもん)氏という実業家がいました。この方は、日本特殊陶業の初代社長、日本碍子(がいし)の社長、そして東洋陶器(現在のTOTO)の社長や会長を務めるすごい方です。
1930年に江副氏がアメリカのスパークプラグ会社のチャンピオン社の工場見学をしたことがきっかけとなり、スパークプラグの研究に着手。
元々は日本碍子(日本ガイシ、NGK)の事業部の一つでしが、森村グループの「一業一社」の思想から、スパークプラグの立ち上がりに応じて日本特殊陶業は、1936年に創立されました。

ちなみにスパークプラグはガソリン車には必ず付いている部品で、ガソリンを燃焼させるために着火の役割を果たす重要なパーツです。点火プラグとも呼ばれています。
スパークプラグが劣化すると加速や燃費にも大きな影響が出てしまいます。
車のエンジンはよく「車の心臓」にたとえられますが、エンジンを発火させるスパークプラグは「エンジンの中の心臓」ともいえます。
スパークプラグが正常なコンディションを保っていることが重要だとされています。
その後、日本特殊陶業は多角化を進め、セラミックバイト、チップ、自動車用温度センサ、自動車用酸素センサなどを製造するようになりました。
海外展開も積極的に行っており、1964年にはホンダとともにF1世界選手権に参戦するなど、自動車業界において高い評価を受けています。
また、同社はセラミックス技術を応用して、様々な分野に製品を提供しています。例えば、医療分野では人工関節や歯科用インプラントなどを製造。
半導体分野ではウエハーハンドリング(半導体チップの取扱い)用の製品を提供しています。
さらに環境分野では、NOxやSOxなどの有害物質を除去する触媒を製造しており、エネルギー分野では、風力発電や太陽光発電の発電機用の製品を提供しています。
以上のように日本特殊陶業は、セラミックス技術を駆使して、様々な分野で世界的な活躍をしている企業です。
今回の決算

4月28日に2023年3月期の決算を発表しました。
決算発表によると、日本特殊陶業の連結最終利益は前年同期比10.1%増の662億円となり、
24年3月期には前期比1.8%増の675億円に伸びる見通しとなっています。
これにより、日本特殊陶業は3期連続で過去最高益を更新することが予想されています。
ただし、同時に発表されたのは、今期の年間配当が前期比33円減の133円に減配する方針であることです。
決算を詳しく見ていくと、日本特殊陶業は株主に利益を還元することを重視しており、通期の連結配当性向40%を基本方針としています。
つまり、企業の全体の利益のうち40%を配当として株主に還元するということです。
今回の配当に関しては、中間配当83円、期末配当83円の合計166円、連結での配当性向50.9%の配当を実施するとしていて想定よりも多い配当ということがわかります。
2024年3月期の1株当たり配当金については、年間133円を予定していますが、これも現在の予想の業績に対して配当性向40%で計算しているため少なくなっています。
業績自体は来年も、24年3月期には前期比1.8%増の675億円に伸びる見通しです。
なので、配当が減ったというより今年の配当が多すぎたと考えるのが正しいのかなと思います。
スパークプラグの今後
スパークプラグの市場については、自動車産業や小型エンジン市場の成長が見込まれるため、今後も需要が堅調に推移すると予想されています。
また、電気自動車の普及に伴い、スパークプラグ自体の需要は減少する可能性があるものの、エンジン搭載車の販売が続く限り、スパークプラグは必要な部品であるため、需要がなくなるわけではありません。
ですが、世界での電気自動車の普及は一気に拡大しています。

なので、スパークプラグの成長はあまり見込めないと思います。
日本特殊陶業もそれをわかっていて、中期成長計画では自動車部門の利益を新規事業開発に行おうとしています。
特に全固体電池分野に積極投資しているようで、実際に三菱パワーシステムズと固体電池の合弁会社セシルスを設立しています。
この分野で先駆者となれれば、今後拡大する電気自動車で利益をあげることができるので、会社は更なる成長を遂げると期待されています。
本日の株価
MARKET SPEED
来期減配予想となった日本特殊陶業(5334)の本日の株価は、
前日比-187円(-6.60%)現在値2,647円と大幅下落に。
決算だけ見ると、企業の売上も利益も来期増加予定です。
それでも減配というのが投資家心理に非常に悪影響になった模様です。
主力のスパークプラグも将来性はあまりないため一気に売られたかも?