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注目銘柄!デンソー(6902)
概要

株式会社デンソーは、愛知県に本拠を置く自動車部品メーカーであり、2009年以来、国内最大手の自動車部品企業です。
自動車部品業界では独ボッシュに次ぐ世界第2位の地位を持っています。
今回は、デンソーの歴史と事業内容、最新の決算についてご紹介します。
デンソーの歴史

創業は1949年で、当時はトヨタ自動車の赤字部門であった「電装部」が分離独立し、「日本電装株式会社」として誕生しました。しかし、独立時は1億4000万円もの累積赤字を抱えており、経営は困難な状況でした。そのため、人員整理などの苦渋の決断を行い、再建に取り組むこととなります。
その後、デンソーは技術提携や施設の開設などを通じて成長を遂げてきました。1953年には、ドイツのボッシュと電装品に関する技術提携を締結し、さらなる技術力の向上を図りました。また、技能養成所や噴射ポンプ準備室の開設など、人材育成や新技術の開発にも力を入れていきました。
デンソーは、その後も順調に拡大し、国内外に生産拠点や販売会社を設立していきました。1965年には、池田工場や広島工場の操業が開始され、1967年には安城(あんじょう)製作所も稼働しました。
さらに海外展開も進め、1971年にはロサンゼルスに初の海外販売会社を設立し、1972年にはタイやオーストラリアにも海外生産会社を設立しました。
2000年に「デンソーエコビジョン 2005」を策定し、環境に配慮した技術開発や製品の提供に取り組んできました。2002年には、国内全事業所でゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)を達成するなど、環境への貢献に積極的に取り組んでいます。
また、2020年には羽田イノベーションシティに自動運転車の試験走行を行える試作開発拠点「Global R&D Tokyo, Haneda」を開設しました。これにより、モビリティの未来や製造業の進化に関する研究開発に注力しています。
デンソーは、創業以来の長い歴史を持ちながらも、常に進化し続けています。その技術力と取り組み姿勢によって、自動車産業や環境技術の発展に貢献し続けています。
事業内容

デンソーは、安心で安全なモビリティ社会の実現を目指し、世界中のカーメーカーに向けて高度な技術と生産力を提供しています。デンソーが提供する技術についていくつか紹介します。
サーマルマネージメント&エアコンシステム
デンソーのサーマルマネージメント&エアコンシステムは、クルマの熱エネルギーを最適に管理し、エネルギー消費を最小限に抑えながら快適性を向上させます。
サーマルマネージメントヒートポンプシステムでは、冷凍サイクルを利用して冷房風、温水、冷水を効率的に生成します。冷媒と水の緻密な制御により、冷房性能を向上させながら部品点数を削減することが可能です。また、大気中の熱を利用して暖房の熱エネルギーとして活用することで、車両の航続距離を延ばす効果も期待できます。
HVAC(室内空調)は、空気の温度、湿度、風量を調節し、快適な室内空間を提供します。このユニットは小型でありながら搭載性に優れており、クルマの中でも快適な環境を実現することができます。
また、バスエアコンはユニット化されており、バスの屋根に搭載することができます。これにより、乗車空間を広く確保しながら、快適な空調環境を提供することができます。
セーフティ&コックピットシステム
安全性と快適性を追求したセーフティ&コックピットシステムが、自動車の進化を支え、安心で安全なモビリティ社会の実現に貢献しています。
走行環境認識システムは、歩行者や車両、道路などの周囲の環境を検出し、事前に危険を察知する役割を果たします。これにより、予防安全や自動運転の実現に向けた基盤を築きます。
さらに、車両運動制御システムは、走る・曲がる・止まるに必要なシステムです。安全性と燃費の向上に寄与します。
衝突安全システムは、衝突時の状況を検知し、エアバッグを確実に展開することで、乗員や歩行者のダメージを最小限に抑えます。このシステムは、衝突時の状況を正確に判断し、迅速に応答することで、事故の影響を軽減します。
これらの製品以外にも、エンジン部品、サスペンション部品、ブレーキシステム、電装部品などの自動車補修部品を総合的に提供しています。デンソーは、自動車業界の進化するニーズに応え、モビリティ社会の成長をサポートするために、新たな開発を続けています。
最新の決算

デンソーは4月27日に決算を発表しました。
半導体不足などの車両減産の影響を受けつつも、電動化や先進安全領域の拡販、新型コロナウイルス感染症による稼働規制の回復などが貢献し、売上収益は前年比で増加しました。
全体をまとめると
売上高: 6兆4,013億円(前期比: +16.1%)
営業利益: 4,261億円(前期比: +24.9%)
経常利益:4,569億円(前期比: +18.7%)
当期純利益:3,146億円 (前期比: +19.2%)
全てで増収増益を達成しました。半導体不足や稼働規制の影響による課題もありましたが、電動化や先進安全領域の拡販、効率化や採算改善の取り組みが成果をもたらしました。
今後の見通しについては、次のようにしています。
サプライチェーンの正常化が進んでいます。半導体不足や稼働規制の影響も緩和されると予想されます。しかしながら、外部環境の不透明感もまだ残っており、車両減産のリスクも踏まえ業績予想は売上高が-1.6%、営業利益・経常利益・純利益がそれぞれ約+20%を見込んでいます。
チャート分析

MARKET SPEED
デンソーは輸送用機器の中でも自動車に関連している企業です。
為替の影響や、世界経済の影響を受けやすい銘柄と言えます
10年単位の長期で見ると安いところで4,000円高いところで10,000円とかなり幅があります。
安いところは2016年と2020年で、中国の景気後退や新型コロナの影響を強く受けました。
ですがそれ以外の年では、割と業績に素直で利益が上がれば上がるという印象です。

現在9,600円近くとかなり高値圏ではありますが、企業の見通しを信じるならまだまだ上がる可能性があります。
それでも2022年1月の10,185円が高値の抵抗線になるのでそこを超えられるかが勝負。