2026年2月8日に投開票された総選挙は、日本政治の常識を大きく塗り替える結果となりました。
高市早苗首相率いる自民党が、衆議院で圧倒的な過半数を確保。日本はこれまで「変化の遅い国」「決められない政治」と言われてきましたが、そのレッテルが一気に剥がれ落ちた瞬間でもあります。
この結果は、単なる政権延命ではありません。
極めて強い民意が、一人のリーダーに集中したという点で、戦後日本でも例を見ない局面に入ったと言えます。投資家にとっては、大きなチャンスであると同時に、これまでにないリスクを孕んだ局面でもあります。
圧倒的勝利が示した「日本の変化」
今回の選挙結果が衝撃的だった理由は、そのスピードと逆転劇にあります。
わずか4カ月前、高市首相は「総裁選で勝てるかどうかも分からない存在」でした。2週間前の予測市場でも、自民党が過半数を取る確率は五分五分。ところが結果は、歴史的とも言える大勝です。
この圧倒的な民意は、「もう迷わなくていい」「一気に進め」という国民からのメッセージでもあります。
かつて英国のサッチャー元首相ですら、ここまで明確な信任を得たわけではありません。高市首相は、国内政治における大きなブレーキをほぼ失い、構想を実行に移せる権限を手にしました。
投資家にとっての「メリット」──決断できる国へ
まず、ポジティブな側面を整理しておきましょう。
最大のメリットは、決定速度の向上です。
これまでの日本では、与野党調整、省庁間調整、党内調整が重なり、政策が骨抜きになることが常でした。しかし今は、権力の所在が極めて明確です。立法の停滞だけでなく、官僚機構の「前例踏襲」も打ち破れる可能性があります。
市場はこの点を敏感に評価しました。
選挙翌日の2月9日、日経平均株価は一時5%超の急上昇。円安を考慮しても、日本株は世界の主要市場を上回るパフォーマンスを示し始めています。
また、コーポレートガバナンス改革の流れも追い風です。
これまで埋もれていた老舗メーカーや資産効率の低かった企業が見直され、「変われる企業」が評価されやすい環境が整いつつあります。投資家にとっては、日本市場に再びストーリーが生まれたと言えるでしょう。
しかし、市場が警戒する「裏の顔」
一方で、手放しで喜べないサインもはっきり出ています。
最も象徴的なのが、国債と為替のねじれです。
通常、国債利回りが上昇すれば、通貨は買われやすくなります。しかし今の日本では、利回り上昇と円安が同時に進行しています。これは、海外投資家が「日本国債も円も同時に避けている」可能性を示唆します。
言い換えれば、「決断力」への期待と同時に、財政や通貨の信認に対する疑念も生まれているということです。
さらに、追加的な財政刺激はインフレ再燃のリスクを高めます。
権限が集中している分、もし政策が裏目に出れば、その責任はすべて高市首相に帰属します。これは強みであると同時に、極めて重いリスクでもあります。
試金石となる「消費税減税」
今後を占う最大の焦点は、選挙戦で掲げた消費税減税です。
実行すれば、家計には追い風ですが、財政規律には大きな負担がかかります。
興味深いのは、専門家の間で出ている逆説的な見方です。
「あまりにも圧倒的に勝ったからこそ、あえて消費税減税を見送る判断がしやすくなった」というものです。妥協する必要がなくなったからこそ、長期的な財政安定を優先できる、という考え方ですね。
この判断一つで、日本の金利・円相場・株式市場の方向性は大きく変わります。
えすふぁみ流・ロキ兄さんの結論
ロキ兄さん的に、今回の選挙結果から学ぶポイントは3つです。
①「決められない政治」が終わったこと自体は評価できる
ビジネス環境にとって、意思決定の速さは正義です。これは日本市場にとって明確なプラス。
② 株価だけでなく「円」を見る
株が上がっても、円安が止まらないなら、それは国の体力への不安の表れかもしれません。
③ ハイリスク・ハイリターンの時代に入った
これからは、政府の構想や発言一つが、ダイレクトに資産価値を揺さぶります。もはや「何となく日本株」では通用しません。
高市首相は、自民党と官僚を「自らが望んでいたポジション」に配置することに成功しました。
これからは、その強大な権限を何のために使うのかが、私たちの株価、通貨、そして家計を左右します。
日本は今、静かな国から、動き続ける国へと変貌しつつあります。
投資家にとっては、面白くもあり、油断できない新時代の始まりです。














