本日も株式市場の動向と注目ニュースをゆる~く語っていきます。
本日(4/27)の日経225
本日の日経平均株価は、前日比+41円(+0.15%)の28,457円という結果でした。
今日は約75円安と小幅続落でスタートし、一時は約170円安に下げ幅を拡大しました。
下落の理由は、決算発表による個別物色が活発化したこと、減益予想のアドバンテストや韓国サムスン電子の低調な決算が重しとなったことが挙げられます。
また、野村ホールディングスの決算内容が嫌気され、年初来安値を更新しました。
しかし、日経平均株価は午後に入ると下げ止まりました。
インバウンド需要の回復などを背景に、日本株の強さが意識され中ごろから上昇に転じました。ただし、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控え、様子見ムードになりつつあります。
ローソク足が下影陽線のカラカサになってるから、
短期的な底値かも?
注目銘柄!アドバンテスト(6857)
概要
株式会社アドバンテストは、半導体デバイスの測定器を中心に製造する日本の大手メーカーです。
自動テスト装置の分野において世界第1位のシェアを誇っており、メモリテスターなどの製品が有名です。
そんなアドバンテストの決算は良いのに、株価が下落に。いったい何があったのでしょうか?
今回は、アドバンテストの歴史と今回の決算、半導体市場の今後について紹介していきます。
アドバンテストの歴史
1954年、当時通信省電気試験所に勤務していた武田郁夫(たけだいくお)氏が「計測分野」に着目してアドバンテスト株式会社を設立しました。
祖父が実業家であったため、実家からの資金的な支援もあったとされています。
1972年、半導体のテスタ装置に注力していたアドバンテストは、国産初の集積回路向けテストシステム「T320」を発売しました。
当時、電卓やカラーテレビに使用されていた半導体のテスタとして注目を集めました。

ちなみに半導体検査装置とは、半導体製造工程において、製造された半導体デバイスが仕様通りに動作するかを確認するための装置です。
これらの装置は、高い精度と信頼性が求められます。
アドバンテストは、この分野において、高い技術力と製品力を誇っています。
2009年、アドバンテストは半導体市況の悪化により、729億円の最終赤字を計上しました。
しかし、同社は無借金経営を実践しており、財務体質に大きな影響はなかったとされています。
これにより、ダメージを最小限に抑えたと言えます。
一方で、2019年には台湾・中国・韓国における半導体生産が拡大し、アドバンテストの業績も好転しました。この年の3月期には過去最高の純利益569億円を記録し、業績好調を見せました。
今回の決算

アドバンテストは昨日2023年3月期決算を発表しました。
売上高は前期比34.4%増の5601億9100万円と売り上げが大幅に伸びました。
営業利益は前期比46.2%増の1676億8700万円とさらに大幅に上昇しました。
営業利益が大きく増加しているので、アドバンテストがコストを抑え、より多くの利益を上げられたということです。
さらに年間配当も前期比15円増の135円に増配しました。
アドバンテストは2023年3月期において、売上高や営業利益、配当金といった各面で非常に好調な成績を収めました。
ではなぜ株価が下がったのでしょうか?それは今年の業績予想が非常に悪いものだったからです。
2024年3月期の業績予想は、前期比で売上高が14.3%減の4800億円、
営業利益が37.4%減の1050億円となると発表しました。
これは、前期の好調な業績から一転し、減収減益となる見通しです。
景気後退が懸念される中、半導体メーカーは在庫調整や生産調整を続けるとの予想から大幅な減収予想になり株価が下落しました。
半導体市場の今後
半導体市場は中長期的(5年や10年単位では)成長が見込まれています。ですが短期的には売れ行きが悪くなるのではないかと言われています。
半導体が売れなくなる理由について調べてみました!
まず一つ目は『インフレ進行や金利上昇などによる世界経済の景気後退リスク』があります。
つまり世界的な不景気が来るので半導体が売れなくなるということです。
米国や欧州の急激なインフレや、それに対抗するための金利上昇。さらに銀行破綻と世界的な不景気をアドバンテストは予想しています。
二つ目の理由は、『不況のシリコンサイクルが来るから』です。
半導体市場は好況と不況が3~4年程度で周期的に訪れる特徴を持つ「シリコンサイクル」と呼ばれています。
2021年は世界の半導体出荷額が過去最高になりましたが、2022年は伸び率が鈍化し、2023年は縮小する見込みです。おそらく2024年までサイクル的には半導体の不況になりそうです。
三つ目の理由は『ウクライナ危機が終わっていないから』です。
戦争による経済不安などももちろんありますが、ウクライナは半導体生産に必要なレアガス(希ガス)の主要な供給国の一つというのはあまり知られていません。
ウクライナはネオンの世界供給量の約70~80パーセントを実は担っています。
ロシアの侵攻によりその供給が途絶える可能性があります。
これらのさまざまなリスクを半導体市場は抱えているのに注意して投資をしていきたいですね。
本日の株価
MARKET SPEED
決算良好だったアドバンテスト(6857)の本日の株価は、
前日比-1,070円(-9.21%)現在値10,550円と大幅下落に。
今期の決算が非常に良かったものの、来期の予想が悪いため大きな下落に。
調べてみると、今年・来年と半導体市場はかなり厳しいかもしれません。