本日も株式市場の動向と注目ニュースをゆる~く語っていきます。
本日(4/26)の日経225
本日の日経平均株価は、前日比-203円(-0.71%)の28,416円という結果でした。
今日は141円安でスタートしました。
銀行などの金融株は、米地銀の預金流出が警戒され信用不安再燃への懸念から下落となりました。
しかし、時間外取引の米ナスダック先物が堅調に推移し投資家心理の下支えとなって一時は69円安まで反発しました。
米マイクロソフトと米アルファベットの決算内容が好感され、2社の株価は米市場の時間外取引で上昇しました。
これが日本株の買い直しを誘い下落を抑えました。
米景気の先行きが不安の中、国内は経済再開への期待が高いです。鉄道株や空運株、小売関連株が上昇しました。英ファンドが株主還元を要求したと伝わった建設株も上昇しました。
上昇トレンド下支えの28,400円を一時下回りましたね
いつ下降トレンドになってもおかしくないかも?
注目銘柄!シマノ(7309)
概要
株式会社シマノは、自転車部品と釣具の製造を主要な事業とするアウトドアスポーツメーカーで、大阪府堺市堺区に本社を置いています。
シマノは、スポーツ自転車部品の世界最大手企業の1つでスポーツ自転車部品は世界シェアの85%を占めています。
そんなシマノの決算が非常に悪いとのニュースが!いったい何があったのでしょうか?
今回は、シマノの歴史と今回の決算、海外の自転車優遇について紹介していきます。
シマノの歴史
シマノが創業した堺市は、鍛冶屋の伝統を持つ町で、16世紀以来、包丁と鉄砲の町として知られてきました。
明治に入ると、自転車の部品や完成品の生産に業種転換し、日本の自転車産業の中心地となりました。
シマノは、堺の鉄工所職人だった創業者・島野庄三郎氏が28歳で創業しました。
島野氏は、1921年にフリーホイールの生産にとりかかり、1939年には、シマノは工作機械200台、雇用人員200名を数える日本最大のフリーホイールメーカーとなりました。
その後、1960年代後半に米国や欧州で起こった巨大スポーツサイクルブームが追い風となり、会社は成長を遂げました。
シマノは、自転車部品と釣具の製造を主要な事業とし、ロードバイク・マウンテンバイク・レース用自転車の機構部品としては世界最大手のメーカーです。
2021年に創業100年を迎えた世界的に有名な企業です。
今回の決算

シマノは昨日第1四半期決算を発表しました。
自転車部品の落ち込みが想定以上になっていることが原因で、第1四半期の売上高が前期比12.5%減の1260億円、営業利益が前期比26.4%減の280億円となり、市場予想の約350億円を大幅に下回りました。
このため、2023年12月期の業績予想も、従来の1050億円から830億円に下方修正され、前期比50.9%減となりました。
もう少し詳しく内容を見ていくと、
自転車部品市場は、新型コロナウイルス感染拡大前から長期的なトレンドとして自転車への関心が継続。
ただし、急速なインフレなど景気後退懸念により、完成車の販売は減速し在庫が多くなっています。
地域別では、欧州・北米・アジア・中南米で売上が落ち、中国・日本のみが好調です。
全体では、売上高は前年同期比16.8%減の982億円、営業利益は前年同期比31.8%減の221億円となっています。
釣り用具市場は、世界的な釣りへの関心は落ち着きを見せた一方、日本市場では高価格帯製品の需要が増えています。つまり高級品釣具の売れ行きが良くなっています。
実際に新製品のスピニングリール「VANQUISH」(なんと6万5000円!)や最高級モデルのルアーロッド「WORLD SHAULA LIMITED」(10万円!)が市場から高く評価され、多くの注文を受けたと報告が。
売上高は前年同期比7.4%増の276億万円で、営業利益は前年同期比5.9%増の58億円と好調です。
まとめると、会社の売上の多くを占める自転車部品の海外売り上げの成績が悪かったです。理由として海外景気が悪化しているから。国内売上が多い釣具は好調という決算でした。
欧州の自転車減税

環境問題への対策や健康の促進をするために、ヨーロッパでは自転車に対する減税措置が取られています。
現在ヨーロッパ全体で約300の税制優遇措置と購入補助金があります。過去10年間でヨーロッパで多くの優遇制度が作られましたが、2019年以降さらに優遇は増加しています。
一例を挙げると、
・ドイツでは電気自転車購入時に2500ユーロ(約36万円)の補助金
・アイルランドでは会社が自転車購入に補助金1250ユーロ(約18万円)補助金を出してくれ、このお金は課税されない
・ポルトガルでは自転車の消費税引き下げを決定
今後も欧州の自転車優遇は続いていきそうですが、景気が悪くなったら消費者は新しい自転車を我慢するとは思います。
景気の悪化が短期的なものか長期的なものかで自転車市場は大きく変わりそうです。
本日の株価
MARKET SPEED
決算悪化のシマノ(7309)の本日の株価は、
前日比-2,635円(-11.64%)現在値20,000円と大幅下落に。
税制優遇や補助金があってもカバーできないくらい景気悪化し始めています。
自転車業界が~というより、欧州・北米の景気悪化が今後どうなるかが問題です。