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注目銘柄!商船三井(9104)
概要
日本の海運業界において、商船三井はその存在感を際立たせる一大プレーヤーです。
日本郵船・川崎汽船と並ぶ日本の三大海運会社の1社、連結純利益、連結売上高および時価総額で国内2位でLNG輸送および海洋事業の分野に強みを持っています。
今回は、商船三井の歴史と事業内容、決算情報やチャート分析をご紹介します。
商船三井の歴史
明治時代の1878年、三井物産は鉄製蒸気船「秀吉丸」を運航し、三池炭の海外輸送を開始しました。これが三井物産の海運業への最初の一歩であり、後の商船三井の礎となりました。
1884年、瀬戸内航路を中心に運航する60以上の船問屋が統合され、大阪商船が設立されました。大正時代には、大阪商船は観光開発を目的とした1,000トン級の客船「紅丸」を運航し、大阪と別府温泉を結ぶ航路に就航。また、1923年には広島‐別府航路を開設し、新たな航路を開拓しました。
昭和時代に入ると、大阪商船は「あるぜんちな丸」と「ぶら志゛る丸」を建造し、南米航路に貨客船として投入しました。さらに、1942年には大阪商船の内航部門が分離され、関西汽船が設立されました。同じ年に、三井物産の船舶部門も独立し、三井船舶株式会社として分社化されました。
1965年には、日産自動車の保証を受けて、自動車輸出のための自動車運搬船である「追浜丸」を建造しました。その後1967年に柳原良平によるデザインのアリゲーターマークが、商船三井のコンテナサービスの象徴となりました。
1990年代には、商船三井は積極的な事業展開を続け、他の海運会社との提携や合併を通じて国際的なネットワークを強化し、多様な事業分野に進出しました。
1999年に大阪商船三井船舶とナビックスラインが合併し、株式会社商船三井が誕生。同時に、本社と子会社の国内定航船事業を統合し、株式会社エム・オー・エル・ジャパン(現・株式会社MOL JAPAN)が設立されました。
2017年には、日本郵船、川崎汽船と共にコンテナ船事業を統合し、新しい会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」が設立されました。
これらの出来事は、商船三井の組織変更や成長戦略の一部であり、多様な事業分野に進出し、国内外での展開を強化してきた歴史を示しています。
引用:https://www.mol.co.jp/corporate/history/
事業内容
商船三井は、多岐にわたる輸送分野で幅広いサービスを提供する総合輸送グループです。以下は、商船三井が展開する主要な事業分野の概要です。
ドライバルク事業
商船三井は、世界最大級の船隊を保有し、鉄鉱石、石炭、木材チップ、バイオマス燃料など、多様な乾貨物を輸送しています。これらの資源から肥料、穀物、セメント、塩、鋼材などの中間財や製品まで、広範な貨物に対応しています。商船三井の船舶は、国内外の輸送において高品質で安定したサービスを提供し、排出ガス規制にも積極的に対応しています。
エネルギー事業
商船三井は、世界のエネルギー輸送のエキスパートとして、液化天然ガス(LNG)をはじめとしたエネルギーの輸送に注力しています。高度な技術力と船隊整備により、安定したエネルギー供給に貢献しています。また、海洋事業にも進出し、FSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)やFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)などを活用し、エネルギー輸送の実績を広げています。
製品輸送事業
商船三井は、工業製品、一般消費財、自動車などの製品輸送サービスを提供し、グローバルな物流に貢献しています。自動車船輸送では、長年の実績を持つパイオニアとして、自動車メーカーの多様な輸送ニーズに対応しています。また、コンテナ船サービスにおいては、Ocean Network Express(ONE)が世界有数の船隊規模とネットワークで高品質なサービスを提供しています。商船三井は、ロジスティクス・サービスも展開し、多様化する物流ニーズに応えています。
ウェルビーイングライフ事業
ウェルビーイングとライフスタイルに関する新たな価値を創造する非海運事業も展開しています。フェリー・内航RORO船事業、クルーズ事業、不動産事業、外国人人材事業などを通じて、人々のウェルビーイングとライフスタイルに貢献しています。商船三井は、多様な需要に対応する価値を提供し、ステークホルダーに新たな体験を提供しています。
関連・その他事業
商船三井グループは、海運業を起点に多彩な周辺事業も展開しています。海運業関連の事業から旅行、金融、不動産、保険、情報システム、国家石油備蓄事業支援、海図販売、CVC(Corporate Venture Capital)、人材事業など、多岐にわたるサービスを提供しており、ビジネスの幅広い領域において成長を遂げています。
商船三井は、多様なサービスメニューを通じて、新たなビジネスを生み出しています。
引用:https://www.mol.co.jp/services/
最新の決算
商船三井は7月31日に第1四半期決算を発表しました。
『売上高:前年度比+104億円の増収。エネルギー事業と自動車船事業が好調で、為替円安効果も増収に寄与。
事業利益/経常利益/当期純利益:前年度比増減 -2,081億円/ -1,938億円/ -1,946億円の減益。
増減要因:コンテナ船事業の賃率と運賃が下落し減益。しかし、エネルギー事業と自動車船事業は堅調で、円安も影響し経常利益は増加。』
売上高:3,851億円 (+2.8%)
営業利益:244億円 (+3.7%)
経常利益:903億円(-68.2%)
純利益:915億円 (-68.1%)
また、今後の見通しについては、以下のようになっています。
売上高が約-5.1%、営業利益が約-10.9%、経常利益が約-77.5%、純利益が約-77.6%を見込んでいます。
引用:https://www.mol.co.jp/ir/data/mrsf/
チャート分析
MARKET SPEED
週足10年チャートを確認すると、下は490円から上は4,400円の範囲で推移しています。
2020年までは長く緩やかな下落トレンドでした。
日本郵船、川崎汽船とのONEの収益もありそこから一気に株価が急騰。
2022年の5月から現在まで急激な上昇トレンドを継続しています。
テクニカル指標で見るとRSIは非常に高め、ボリンジャーバンドも非常に高めを示しています。
ストキャスは高い値でデッドクロスを形成。
パラボリックは6月末から上昇トレンドを示しています。
一目均衡表の雲は下にあり、転換線が基準線を上回っているのでまだ下げなさそうです。