昨日のニュース深掘りでは、米オープンAIの「年換算売上高」が、これまで伝えられていた水準を約200億ドル下回るという報道をきっかけに、出資するソフトバンクグループの株が大きく下げた話を取り上げました。
ここでひとつ疑問がわきます。AIの会社のように、急成長しているけれど、まだ利益が大きくない会社は、何を基準に「値段」がつけられているのでしょうか。利益をもとにするPER(株価収益率)は、利益が少なかったり赤字だったりすると使いにくいのです。そこで登場するのが「PSR(株価売上高倍率)」。今日の投資豆知識は、売上から会社の評価を見るPSRを家族で学びました。

今日の投資豆知識|赤字の成長企業はどう評価する?「売上」で見るPSR(株価売上高倍率)ってなに?

リコ
リコ
昨日の話で思ったんだけど、なんで「売上」のニュースで株価が動くの?前に習ったPERは「利益」で計算するんじゃなかった?
ロキ兄
ロキ兄
よく覚えてたね!PERは「株価が利益の何倍か」を見る指標だった。でも、急成長中の会社は、研究開発や設備にたくさんお金を使うから、利益がまだ少なかったり、赤字だったりすることがあるんだ。
父
父
赤字だと利益がマイナスだから、PERは計算できない。利益がほんの少しだと、PERは何百倍、何千倍にもなって、比べる意味がなくなっちゃうんだ。そういうときに使われるのが、売上をものさしにする「PSR」だよ。

PSRの計算はかんたん

PSRは「Price to Sales Ratio」の略で、日本語では「株価売上高倍率」といいます。計算式は次のとおりです。

・PSR = 時価総額 ÷ 売上高
(または、株価 ÷ 1株あたり売上高)

時価総額は、その会社の株を全部買ったらいくらになるか、という「会社の値段」です。それが1年間の売上の何倍にあたるかを表すのがPSRです。

ロキ兄
ロキ兄
たとえば、売上が100億円の会社の時価総額が300億円なら、PSRは3倍。「会社の値段が、売上3年分」という意味だね。
リコ
リコ
じゃあ、PSRが高いほど「期待されてる」ってこと?
父
父
そのとおり。PSRが高い会社は、「今の売上の何倍もの値段を払ってもいい」と思われている、つまり将来の成長への期待が大きいということなんだ。逆に言えば、それだけ期待が株価にのっているから、期待が少し崩れただけで大きく下がりやすい面もあるよ。

お店で比べてみよう

架空の2つのお店で考えてみましょう。

・Aパン店:売上10億円、利益1億円、時価総額10億円 → PSR1倍、PER10倍
・Bロボット店:売上5億円、赤字、時価総額50億円 → PSR10倍、PERは計算できない

母
母
Bロボット店は、売上はAパン店の半分なのに、会社の値段は5倍もするのね!しかも赤字なのに。
ロキ兄
ロキ兄
そう。市場が「Bロボット店はこれから売上が何倍にもなる」と期待しているからなんだ。もし売上が毎年2倍に伸びれば、数年後にはAパン店を大きく追い抜くかもしれない。その未来を先取りして、値段がついているんだよ。
リコ
リコ
なるほど!だから昨日のニュースみたいに、売上が「思ったより伸びてない」ってなると、みんなががっかりするんだね。
父
父
まさにそこがポイントだ。PSRが高い会社にとっては、売上の伸びこそが期待の支えなんだ。だから、売上の数字や見通しが期待とずれると、株価が大きく動きやすいんだよ。

PSRを見るときの3つの注意点

1. 業種によって「ふつうのPSR」が違う
スーパーのように利益率が低い業種と、ソフトウェアのように利益率が高い業種では、同じ売上でも稼げる利益が違います。PSRは、同じ業種の会社どうしで比べるのが基本です。

2. 売上が多くても、利益につながるとは限らない
売上が伸びていても、コストがそれ以上にかかっていれば赤字が続きます。将来ちゃんと利益を出せるかどうかも、あわせて見る必要があります。

3. 高いPSRは「期待の大きさ」でもあり「リスクの大きさ」でもある
期待どおりに成長すれば株価は報われますが、成長が鈍ると大きく下がることがあります。

母
母
数字ひとつで「割安」「割高」と決めつけないで、いろいろな指標を組み合わせて見ることが大事なのね。
ロキ兄
ロキ兄
PERやPBR、ROE、フリーキャッシュフロー、そして今日のPSR。どれも会社をいろんな角度から見るための「メガネ」みたいなものだよ。

今日のまとめ

PSR(株価売上高倍率)は、会社の値段(時価総額)が売上の何倍かを表す指標です。利益がまだ少ない、または赤字の成長企業でも計算できるので、AIやITなどの成長企業を評価するときによく使われます。
PSRが高いほど将来への期待が大きいということですが、その分、売上の伸びが期待に届かないと株価が大きく動きやすくなります。昨日のソフトバンクGのニュースも、この「売上への期待」と深く関わっていました。決算シーズンは、売上の数字にも注目しながら、会社の成長を家族で見守っていきましょう。

ロキ兄
ロキ兄
※投資は自己責任でお願いします。

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