10月7日、厚生労働省が8月の毎月勤労統計調査(速報)を発表しました。ニュースでは「実質賃金1.5%増、8カ月連続プラス」と伝えられています。働く人1人あたりの現金給与総額は31万1364円で、前の年の同じ月より3.8%増えました。
でも、「給料が増えた」と言われても、スーパーでの買い物は相変わらず高いし、あまり実感がない……という人も多いのではないでしょうか。そもそも「実質賃金」と「名目賃金」は何が違うのでしょう。今日のお金にまつわる疑問は、この2つの「賃金」を家族で整理してみました。

今日のお金にまつわる疑問|「実質賃金8カ月連続プラス」ってどういうこと?名目と実質の違いをやさしく解説

母
母
ニュースで「実質賃金が8カ月連続でプラス」って言ってたけど、うちの家計はそんなに楽になった気がしないのよね。
リコ
リコ
「実質」ってなに?給料に本物と偽物があるの?
ロキ兄
ロキ兄
偽物ではないけど、ちょっと近いかも(笑)。給料の「金額」と、その給料で「買えるものの量」は別なんだ。おやつで考えてみようか。

名目賃金は「お財布に入る金額」

「名目賃金」は、実際に受け取る給料の金額そのものです。8月の現金給与総額31万1364円、前年比3.8%増というのは、この名目賃金の数字です。

ロキ兄
ロキ兄
リコのおこづかいが、去年は月1,000円で、今年は1,100円になったとする。金額は10%アップだね。これが「名目」で見た増え方だよ。
リコ
リコ
やった、10%も増えた!お菓子がいっぱい買える!

実質賃金は「そのお金で買える量」

ロキ兄
ロキ兄
ちょっと待って。もし、去年100円だったお菓子が、今年は110円に値上がりしていたら?
リコ
リコ
えーっと……去年は1,000円で10個、今年は1,100円で……やっぱり10個!?おこづかいが増えたのに、買える数が同じだ!
父
父
それが「実質」の考え方なんだ。給料が増えても、物価も同じだけ上がっていたら、買えるものの量は変わらない。名目賃金から物価の上昇分を差し引いて、「本当に豊かになったか」を見るのが実質賃金だよ。

ざっくり言うと、次のような関係です。

・実質賃金の伸び ≒ 名目賃金の伸び − 物価の伸び

8月は名目賃金が3.8%増え、実質賃金は1.5%増でした。ここから計算すると、物価の伸びは2%台前半だったことになります。給料の伸びが物価の伸びを上回ったので、実質賃金がプラスになったわけです。

「8カ月連続プラス」なのに実感がないのはなぜ?

母
母
数字ではプラスなのに、私が実感できないのはどうしてかしら?
父
父
いくつか理由が考えられるね。まず、これは働く人全体の「平均」の数字だということ。会社や業種、働き方によって、賃上げの幅は人それぞれなんだ。
ロキ兄
ロキ兄
それに、調べる会社の入れ替えの影響を除いた「共通事業所」という比べ方だと、名目賃金は2.8%増、実質賃金は0.6%程度の増加にとどまる、という分析もあるんだ。見方によっては、プラスといってもかなり小幅なんだよ。
母
母
それに、私たちがよく買う食べ物や日用品は、平均よりも値上がりしている気がするわ。毎日買うものが高いと、どうしても「苦しい」って感じちゃうのよね。
父
父
そのとおり。物価の数字は、家賃や電化製品など、いろいろなものの平均なんだ。家庭によって「よく買うもの」は違うから、統計の数字と自分の実感がずれることはよくあるんだよ。

これからはどうなる?

民間のシンクタンクのレポートでは、基本給にあたる所定内給与は着実に増えているものの、物価は再び上がりやすくなっているとしています。実際、東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、9月に前年比2.7%上昇と、8月の1.8%から伸びが大きくなりました。

ロキ兄
ロキ兄
物価の伸びが給料の伸びに追いついてくると、実質賃金はまたマイナスに戻る可能性もある、という見方も出ているよ。来年の春闘でどれくらい賃上げが続くかにも注目だね。
リコ
リコ
じゃあ、私のおこづかいも「実質」で考えて上げてもらわないと!お菓子、また値上がりしてるもん!
母
母
あら、上手に交渉してきたわね(笑)。じゃあ来月、本当に値上がりしているか、一緒にレシートを見て確かめましょう。

家計でできる「実質」チェック

1. 給与明細で、去年の同じ月と比べて手取りがどれだけ増えたかを見る
2. よく買う食品や日用品の値段が、1年でどれだけ上がったかを見る
3. 「手取りの伸び」と「よく買うものの値上がり」を比べて、わが家の実質賃金を考える

父
父
物価が上がる時代は、預金に置いておくだけだとお金の「実質的な価値」が目減りしてしまう。だからこそ、つみたて投資などで「物価に負けない」工夫を考えておきたいね。

今日のまとめ

名目賃金は「お財布に入る金額」、実質賃金は「そのお金で買えるものの量」です。8月は名目賃金が3.8%増え、物価の伸びを上回ったことで、実質賃金は1.5%増と8カ月連続のプラスになりました。
ただ、数字は全体の平均で、比べ方によっては伸びは小幅です。物価が再び上がりやすくなっているという見方もあります。ニュースの数字をうのみにせず、「わが家の実質賃金はどうかな?」と給与明細とレシートを見比べてみると、家計の本当の姿が見えてきそうですね。

ロキ兄
ロキ兄
※投資は自己責任でお願いします。

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