10月1日、日本銀行が「日銀短観(全国企業短期経済観測調査)」の9月調査の結果を発表しました。ニュースでは「大企業製造業の景況感が6期連続で改善」「非製造業は5期ぶりに悪化」といった見出しが並びました。
でも、「短観」や「DI」と言われても、何をどう測っているのかピンとこない人も多いのではないでしょうか。今日のお金にまつわる疑問は、「日銀短観ってなに?DIの数字はどう読むの?」を家族で解き明かします。

今日のお金にまつわる疑問|「日銀短観」ってなに?「DI=24」はどう読めばいい?

リコ
リコ
ニュースで「短観、大企業製造業はプラス24」って言ってたよ。24点ってこと?100点満点で24点なら、けっこう悪くない?
ロキ兄
ロキ兄
いい勘違いだね(笑)。実はこれ、テストの点数じゃないんだ。プラス24はかなり「いい」数字なんだよ。順番に説明するね。

日銀短観は「会社への通信簿アンケート」

日銀短観は、日本銀行が全国の約9,000社の企業に「いまの景気をどう感じていますか?」と聞くアンケート調査です。3月・6月・9月・12月の年4回行われ、結果はその翌月の初め(12月調査は12月中)に発表されます。

父
父
統計の数字は「売上がいくらだった」みたいな過去の結果が多いけど、短観は企業の「肌感覚」を直接聞いているのが特徴なんだ。しかも回答する会社が多くて、発表も早い。だから世界中の投資家が注目しているんだよ。
母
母
海外でも「TANKAN」っていう言葉で通じるって聞いたことがあるわ。

「DI」の計算はとってもシンプル

短観でいちばん注目されるのが「業況判断DI」です。企業は、自分の会社の景気(業況)について次の3つから1つを選んで答えます。

・「良い」
・「さほど良くない」
・「悪い」

そして、「良い」と答えた会社の割合から、「悪い」と答えた会社の割合を引いたものがDIです。

ロキ兄
ロキ兄
たとえば、「良い」が40%、「さほど良くない」が44%、「悪い」が16%だったとする。40−16で、DIはプラス24になるんだ。
リコ
リコ
なるほど!「いい」って言う会社が「悪い」って言う会社より24ポイント多いってことなんだね。じゃあ0なら同じくらい、マイナスなら「悪い」のほうが多いってこと?
ロキ兄
ロキ兄
正解!プラスかマイナスか、そして前回より上がったか下がったかを見るのがポイントだよ。

9月調査の結果を読んでみよう

今回発表された9月調査の主な結果は、次のとおりです。

・大企業製造業:プラス24(前回6月調査から2ポイント改善、6期連続の改善)
・大企業非製造業:プラス35(前回から2ポイント悪化、5期ぶりの悪化)
・中小企業製造業:プラス14(前回のプラス9から改善)
・中小企業非製造業:プラス15(前回から横ばい)

大企業製造業のプラス24は、2018年3月調査以来の高い水準と報じられています。

父
父
製造業がよかったのは、AIや半導体関連の需要が広がっているからだと分析されているね。一方で、非製造業では小売や宿泊・飲食サービスが悪化した。コストの上昇が重荷になっているようなんだ。
母
母
値上げが続いて、私たちもお買い物や外食を控えめにしているものね。お店側も苦しいってことが、数字にも表れているのね。

「先行き」の数字もチェック

短観では、いまの景況感だけでなく「3か月後はどうなっていると思うか」という先行きも聞いています。今回は、大企業製造業の先行きがプラス21、大企業非製造業の先行きがプラス30と、どちらも足元より低くなりました。

ロキ兄
ロキ兄
原油価格の高止まりや金利の上昇を心配して、「この先は少し悪くなるかも」と慎重に見ている会社が多いってことだね。
リコ
リコ
いまは調子いいけど、ちょっと心配ごともある……って感じ?テスト前の私みたい。

短観が投資家に注目される理由

父
父
短観は、日銀が金融政策を決めるときの大事な材料のひとつなんだ。景気がしっかりしていれば利上げしやすいし、弱ければ慎重になる。9月に政策金利を1.25%に引き上げたばかりだから、次の利上げのタイミングを考えるうえでも注目されたんだよ。
母
母
利上げは住宅ローンや預金の金利にも関わってくるから、私たちの家計にも無関係じゃないわね。
ロキ兄
ロキ兄
今回は「借入金利水準判断DI」っていう、会社が借りるお金の金利が上がっているかどうかを見る数字も上昇していた。利上げの影響が企業にも少しずつ広がっていることがわかるよ。

ニュースを見るときの3つのポイント

1. プラスかマイナスか(「良い」と「悪い」、どちらが多いか)
2. 前回より上がったか、下がったか
3. 先行きは足元より上か、下か

この3つを押さえておけば、短観のニュースがぐっと読みやすくなります。次回の12月調査は、12月中旬に発表される予定です。

今日のまとめ

日銀短観は、日本銀行が約9,000社の企業に景気の実感を聞く、年4回の「通信簿アンケート」です。DIは「良い」と答えた会社の割合から「悪い」と答えた会社の割合を引いた数字で、プラス24は「良い」と感じている会社がはっきり多いことを示しています。
9月調査では、AI関連の追い風を受けた製造業が改善する一方、値上げやコスト高の影響で小売や飲食などは苦戦していました。数字の裏にある「会社の気持ち」を想像しながらニュースを見ると、景気の動きが少し身近に感じられるかもしれませんね。

ロキ兄
ロキ兄
※投資は自己責任でお願いします。

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