目次
1. コロナ禍で起きた「貯蓄の異変」
こんにちは、『えすふぁみ☆家族で株投資』です。
水曜日は「お金にまつわる疑問」を、家族の会話を交えながら考える日。
2020年から2022年にかけて、日本の家計には歴史的な貯蓄の急増が起きました。
これは多くの人が「意識して貯めた」というより、気づいたら増えていたお金でした。
2. なぜ“貯蓄5倍・70兆円”が生まれたのか
● 年間貯蓄額は「5倍」に急増
マクロ統計によると、
2020年の家計貯蓄総額は35.8兆円。
これは2019年の約5倍、貯蓄率も**11.3%**まで急上昇しました。
外出自粛
旅行・外食の消失
イベント中止
10万円の定額給付金
これらが重なり、意図せざる貯蓄増加が起きました。
● 強制貯蓄は累計「70兆円」
さらに驚くのが、
2020年4月〜2022年6月までに消費に回らなかったお金、
いわゆる**「強制貯蓄」**の推計額。
👉 累計70.3兆円
当初は「コロナが明けたら一気に使われる(反動消費)」と期待されましたが、
実際には多くが使われないまま残ったのです。
3. 使わないままの人が抱えるリスク
● 現金のまま=購買力が減る
コロナ後、日本はインフレ局面に入りました。
食料品
光熱費
生活必需品
物価が上がる中で、現金だけを持っていると“買える量”は減り続けます。
● 日本人は“インフレでも使わない”
実は日本の家計には特徴があります。
1970年代の教訓から、
インフレになると「買い急ぐ」のではなく、むしろ貯蓄を増やす傾向が強い。
そのため、
70兆円の強制貯蓄は、
👉 消費に回りにくく、現金のまま滞留する可能性が高い
と指摘されています。
4. 投資に回した人は何が違ったのか
● 行動したのは「6人に1人」
一方で、コロナ禍をきっかけに
**何らかの資産形成行動を始めた人は17.3%(約6人に1人)**いました。
内訳を見ると:
預貯金:9.5%
投資信託:3.6%
株式投資:2.8%
NISA・つみたてNISA開始:8.4%
● “考えた人”は行動が違った
特に差が出たのは、
「資産形成について考える時間が増えた人」。
この層では:
投信購入:9.0%(全体3.6%)
株式購入:8.5%(全体2.8%)
NISA利用:11%超(全体3.5%)
と、行動率が倍以上に跳ね上がっています。
● 若い世代ほど行動的
さらに注目なのが年代別。
資産形成額が増えた人:全体12.4%
20代:15.0%
30代:16.0%
特に20代は、意識・行動ともに最も活発でした。
5. コロナ貯金は「正解」だったのか?
ここで、整理してみましょう。
| 観点 | 現金のまま | 投資に回した |
|---|---|---|
| お金の行き先 | 強制貯蓄として滞留 | 投信・株式・NISA |
| インフレ耐性 | 弱い | 比較的強い |
| 成長性 | ほぼなし | 時間とともに期待 |
| 将来への備え | 不安が残りやすい | 資産の種まき完了 |
**『貯めたこと自体は正解。使い道で差がついた』**だね」
まとめ
コロナ禍で家計貯蓄は約5倍、強制貯蓄は70兆円超
多くは“意図せず貯まったお金”だった
現金のままではインフレで購買力が低下
投資に回した人は、インフレ対策の“種まき”を完了
特に20代・30代は意識と行動が結びついた

















