本日も注目銘柄をゆる~く語っていきます。
注目銘柄!東京エレクトロン(8035)
概要

東京エレクトロン株式会社は、半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置の開発、製造、販売を行っています。
同社は半導体産業において国内でのシェアは首位であり、世界でも第3位となっています。
東京エレクトロンは、半導体産業における世界的な競争力を持っている企業。
今回は、東京エレクトロンの歴史と事業内容、今後の見通しについてご紹介します。
東京エレクトロンの歴史

東京エレクトロン株式会社の歴史を振り返ると、その成り立ちは東京放送(TBS、現:TBSホールディングス)の出資によって1963年に設立された株式会社東京エレクトロン研究所から始まります。
その後、1968年には米国サームコ社との合弁会社であるテル・サームコ株式会社(後の東京エレクトロン東北株式会社)が設立されました。
1976年にはテル・サームコが世界初の高圧酸化装置を開発し、その後の成長に繋がっていきます。
そして、1978年には株式会社東京エレクトロン研究所から現在の社名である東京エレクトロンに社名変更しました。
東京エレクトロンは順調に成長を遂げ、1980年に東証2部に上場し、1984年には1部に昇格しました。
その後も新たな分野への進出が続き、1990年には液晶ディスプレイ(LCD)製造装置(FPD製造装置)の開発・製造に本格的に取り組むために、東京エレクトロンFE株式会社を設立しました。
1994年には本社を赤坂TBS放送センターに移転し、さらなる発展を遂げました。1999年には業種変更(「商業」→「電気機器」)を行い、2000年には単元の株式数を1,000株から100株に変更しました。
2003年には東京エレクトロン デバイスが東証2部に上場し、2006年には東京エレクトロンAT株式会社を3社に分割しました。また、2008年にはシャープとの合弁で東京エレクトロンPV株式会社を設立し、本社も赤坂Bizタワーに移転しました。
2019年に、東京エレクトロンは米国のBRIDGと提携を発表しました。この提携は、東京エレクトロンが新たな成長とイノベーションを追求するための重要なステップとなりました。
BRIDGは、米国フロリダ州に拠点を置く非営利組織であり、先進的な半導体技術とイメージングシステムの開発を目指しています。この提携により、東京エレクトロンはBRIDGの先進的な技術と研究開発ネットワークへのアクセスを得ることができます。
両社は、次世代の半導体技術やエレクトロニクス製品の開発において協力し、競争力のある製品を共同で開発する予定です。
東京エレクトロンは、半世紀以上にわたり半導体製造装置のリーディングカンパニーとしての地位を確立してきました。今後も、半導体産業の進化と発展に貢献していくことでしょう。
事業内容
東京エレクトロンは、世界最大の半導体製造装置メーカーとして、幅広い製品を開発・製造・販売しています。ここでは主要な取り扱い製品を紹介します。
半導体製造は様々な工程から成り立っていますが、東京エレクトロンは、複数の工程の製造装置を作成しています。

①サーマルプロセスシステム(熱処理成膜装置)
半導体は最初にチップを絶縁(電気を通さない)にすることから始めます。サーマルプロセスシステムは、トランジスタの絶縁膜を形成するための熱処理を行います。高温で短時間の処理を可能にし、トランジスタの性能向上に貢献します。

②コータ/デベロッパー
半導体は回路の型を作って写真のように焼き付けを行います。コータ/デベロッパーは、感光剤の塗布と現像を行う装置です。精密な塗布と正確な現像を実現し、高品質な半導体の製造をサポートします。

③エッチング装置
エッチング装置は、半導体製造において不要な層を削除するために使用されます。微細なパターンの形成や複雑な構造の作成に欠かせない装置であり、高い精度と効率性を持っています。
④サーフェス プレパレーション装置
サーフェス プレパレーション装置は、不純物や汚れを除去するための装置です。洗浄や清浄化のプロセスを実施し、クリーンな環境で半導体の製造を支えます。
⑤ガスボックス、ガスパネル
ガスボックスやガスパネルは、ガスの供給や制御を行うための装置です。高い安全性と安定性を備え、半導体製造プロセスにおいて欠かせない存在です。
以上のように東京エレクトロンは、半導体製造の様々な工程の装置を製造しています。
他にも、フラットパネルディスプレイ製造装置や電子部品・情報通信機器なども取り扱っています。
今後の見通し

東京エレクトロン5月11日に発表した決算において今後の見通しを次のようにしています。
マクロ経済の減速懸念や地政学リスクの影響により、半導体メーカーの設備投資が一時的に先送りされたり抑制されたりしています。しかし、このような事業環境の中でも、同社は将来の成長を見据えて取り組みを続けています。
2024年3月期では、固定費を削減しながらも、過去最大となる約2,000億円の研究開発投資を予定しています。これにより、競争力の強化と将来の成長への準備を進めています。
一方で、情報通信技術の拡充や脱炭素社会への取り組みによる半導体の技術革新の重要性が高まっています。大容量化、高速化、高信頼性、低消費電力などの要件に対応した製品開発が求められており、これによって半導体製造装置市場は今後もさらなる成長が期待されています。東京エレクトロンは、この市場の成長に貢献することを目指し、技術革新に取り組んでいます。
2024年3月期の連結業績予想は通期で、
売上高:1兆7,000億円(前期比23.0%減)
営業利益:3,930億円(前期比36.4%減)
経常利益:3,950億円(前期比36.8%減)
親会社株主に帰属する当期(四半期)純利益:3,000億円(前期比36.4%減)
と大幅な減少を予想しています。これは以前の動画でも説明したシリコンサイクルの影響もあるかと思われます。
ただし、情報通信技術の進展や脱炭素社会の推進に伴い、半導体製造装置市場は今後も成長が期待されており、特に2025年3月期には市場が大きく回復することを見込んでいます。
本日の株価

MARKET SPEED
世界最大の半導体製造装置メーカーの東京エレクトロン(8035)の本日の株価は、
前日比-460円(-2.33%)現在値19,275円と下落に。
日経平均が大きく上昇、SOX指数も大きく上昇している中で反対の動きに
かなり上昇していたので利確の動きが出ているのかと思います